十三日目





先ほどの風呂でのぼせてしまった黒子をめずらしく青峰がリビングにて介抱してた。三人掛けの広々としたソファをベッド代わりに、頭に冷たいタオルをのせた黒子が横たわっている。青峰が冷蔵庫からポカリを取り出し、いまだに目を回している黒子の頬にぺたりとつけると、黒子がうっすらと目を覚ました。

「ありがとうございます。すみません」
「お前のぼせ易いのになにやってんだよ」

ポカリのキャップを開けるのにすらてこずる黒子に青峰はため息をつく。ポカリは先ほどまで冷蔵庫に入ってただけにひんやり冷たく、火照った身体にすうっと染み込むようだった。

「紫原君の手足のせいであがれなかったっていうのもあるんですが、みんなでわいわいお風呂に入るのがあんまり楽しくてつい。一人暮らしだったら、もっと淡々としていて、ずっと寂しかったんだろうなあと思うと、あがるのがなんだかもったいなくなってしまって」
「だからってのぼせてたら世話ねぇだろ。どうせいっつも二人とか三人でまとめて風呂入るんだしよ。俺としたらたまには一人でのんびり風呂に入りたいってーの」

タオルぬるくねーか?と青峰は黒子の額に手を置く。そしてまたタオルを冷たい水にさらして、ぺたりと黒子の額に戻してやった。ひんやりとした冷たさが余計な熱を奪ってくれるようで心地よかった。くらくらとする視界がやっと治まってきて、黒子は上体をゆっくりと起こした。その頃にやっと脱衣場からみんなが出てきたらしく、廊下からにぎやかな足音と声が聞こえてきた。黒子がそれにくすりと笑うので、青峰もなんだかまんざらでない気持ちになり、ため息を吐くように笑った。


END



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