駄目な男
そうだはじめては五歳年上の女だった。道端でひっかけたら簡単についてきてそのままホテルに入った。香水がなんでか幼い匂いで、似合ってないなぁと思ったのを覚えてる。名前は覚えていないのだから不思議だ。
好きな女を抱くには手前もかかるし難しいが、女を抱くのは簡単だ。志摩はそれをよく知っていた。それにどうしてもだれか一人だけに決めるのが苦手だった。しえみちゃんみたいな子は苦手だし出雲ちゃんみたいな子も友達としてしか見られない。志摩はもっと性的な女が好きだ。だらしない、すすんで手前のぺニスをくわえてくれるような女が好きだ。
ただ女の子は大好きだ。単にセックスするなら女がいいというだけだ。バージンは嫌いだ。面倒だからだ。フェラをしろというと嫌がるし恥ずかしがる。クンニをしようとすれば嫌がるし恥ずかしがる。笑顔で受け流しながら、二度目はないな、と冷めていくのだ。面倒なのは一番嫌いだ。一度寝ただけで彼女面する女も嫌いだ。けれどそういった感情を出さないようにするのが肝心だ。女は女と繋がっているのだ。
「奥村君はさ、しえみちゃん狙ってんの?」
志摩がそういうと、燐は飲んでいたカフェオレを盛大に吹き出した。
「あいつはただの友達だって!!」
「へぇ、随分仲良しみたいやったから、もう付き合ってんのかとおもっとったわ」
「なにいってんだよ!!」
「じゃあさ、じゃあさ、俺がねらっちゃってもいいかなって、思うねんけど」
「えっ」
「ダメ?」
燐は小さな声で、それはしえみが決めることだし、好きにすればいいんじゃね?と言った。志摩は内心苛立ちながら、応援したってね、と言った。燐は変な顔になる。
本当は何をいってほしかったのかなんて、考えるだけで面倒だ。
END