※フォロワーさんの設定のラットをお借りしています。
ラット視点で【ゼル←ジョニ←ラット】です。


君は見えない




それは何度目かになる問いだった。

「あいつのどこが好きなんだよ」、と言うと、「全部」と返された。
だからその全部ってなんなんだ。

「彼は俺の神様なんだよ」とクソ真面目な顔で言う。

時々何を考えているのかわからないこいつの目はいつでも真剣で、
馬鹿みたいだと思いながらもおれはジョニーのそういうところが好きだった。

「おれじゃ駄目なのかよ」と言えたら楽だったろう。
でも、おれはそれさえ言えずにただ押し黙った。


だけどきっと表情や雰囲気からダダ漏れだったんだと思う。
ジョニーが少し笑って「ごめん、ありがとう。」と言った。


ごめんだなんて言わないでくれ。気持ちを伝える前から拒絶をするなんてひどすぎる。
ありがとうだなんて言わないでくれ。ごめんよりも、もっとひどい。

心臓が引きちぎれそうな俺は、それでもジョニーの綺麗な笑顔を見て、
ああ、好きだなあと思った。


end

「報われない片想い」が好きなラット。


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