どうしてこうなってしまったのか全然わからない。

だけど、どうしてこうなってしまったのか、ずいぶん前からわかっていた気もする。




きっと泣いたって足りない。





目を覚ますと何故だかわしは両手足を縛られていて、そして何故だかペンギン共の基地の中にいた。

そして、わしの前にはモーリスがいた。
わしが理解しがたい状況に取り乱し大声でわめきたてれば彼は笑って、
「私がそうしたので、安心してください」と言った。

それを聞いてわしは暴れるのをやめ、その代わりに顔をゆがめた。
一体どういうつもりだと。


聞けば、彼はペンギンたちが2、3日あの楽しそうな任務ゴッコで基地を留守にする間、この場所を借りる許可をもらったらしい。

彼は、薄暗い基地の中でわしのことだけを見ていた。
その目はいつもの、けだるげで優しげな目ではなく、もっと、慈しむようなそんな目をしていた。

そんな目をして、彼自身に縛られたわしのことを見ていた。


「どうしてこうなったのか、わかりますか?」


わしはどう応えていいかわからなかった。
知らないと言うのは嘘だった。

わしも、きっとどこかでこうなることを望んでいたのだ。
だけど彼はそれ以上に、こうすることを望んでいた。

だから、こうなってしまったんだ。


「あぁ・・・さっぱりわからんな」


わしは彼の目を見ずにそう言った。
すると彼はいかにも嬉しそうに、アハハと声を立てて笑った。


「そうでしょう。えぇ。きっと、わからないでしょうね、キング。」


彼はわしに近づいて、そっとわしの顔をあげさせた。
彼の手は優しい。だけどわしはその目を見る勇気がなかった。

見てしまえばそこですべてが終わるような気がしたからだ。


「キング、私を見てくれないんですか?」

「こんな仕打ちをするような家来を持った覚えはない。」

「そうですね。」


モーリスはあくまで冷静で、まるでいつもと変わらないような態度だった。

そうして彼は、彼の目を見ようとしないわしの口を塞いだ。
いつものように、その唇は優しいのに。

わしには自由がなかった。
なんだか泣きたい気持ちになった。


「わからないなんて嘘、つかないでください」


モーリスが囁くようにそう言った。


「お前は・・・わしを、どうしたいって・・・・」

「私は、あなたを私だけのものにしたいんですよ。」


そう言われて唇を噛んだ。

何故。

彼は、わしの恋人で。
そう、彼はわしの家来であり優秀な右腕であり、親友であり、そして恋人だった。

愛しいモーリス。わしのモーリス。
それなのに、彼は、わしが彼のものではないというのか。


「キングの考えてらっしゃることはわかっていますよ。もちろん、あなたはきっと私のものなんでしょう、そして、私もきっとあなたのものでしょう。だけど私はそれでは足りないんです。全部全部、私のものにしたいのです。あなたの身と、心と、自由と。そして・・・何もかもです、キング。」


そして彼は続けざまに言った。


「三日だけでいいんです。私はあなたの為に、本当にいつもいろんなことを尽くしているつもりです。それが嫌なわけではないんです。あなたの世話をすることも、わがままを聞くことも、私の仕事であり生きがいなんですから。しかし、たまには私だってわがままを言いたいんですよ。ねぇ。キング。私だけのキングになってほしいんですよ。」

あぁ。

わしはその言葉を聞いて悟った。
彼は一線を越えてしまったのだ。

きっといつかこうなることを恐れていたんだ。
彼がわしをこうしてしまうことを。


それは永遠に続く呪縛となることを
わしは知っているんだ、モーリス。



END.



妄想すすみすぎて意味が分からないですね…すいません…
とにかく、まぁ、ヤンデレですね(笑)出来た瞬間からくずかご行きでしたw

でも、個人的には結構気に入っていたり。笑。


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