*「さみしんぼうキング」の後のお話です。原型。


make up with you.



わしが二人を追い出してしまった後、またわしの王国に帰ってきた二人。
パーティを終わらせて、ワシの足に引っ付いたまま眠ったモートを引っぺがしてボヨンボヨンハウスのはしっこへ。

モーリスはまだ起きて、モートを起こさないようにわしの耳元に囁く。

「今日はさすがに反省しましたか?」

反省ってなんのこと。
おまえがいないとわしはパーティーすら開けない。
おまえたちがいないと楽しいことなんて一つもない。
そんなの最初っから知っておったに決まっているだろう?

わしは黙ってモーリスを引き寄せて、そのふわふわした片口に顔を埋める。

そうするとモーリスはわしの王冠をとって下に置いて、それからそっとわしの頭を撫でた。

「私とモートがいなくなって、ぬいぐるみと遊ぶようになるなんて困った王様ですね?」

「うるさい、おまえらが出て行くからだ」

モーリスの片口に顔を埋めたままぎゅうと強く抱き着いて、憎まれ口を叩く。

「またそんなこと言って。いいんですよ?明日もキング意外の皆だけでパーティをしても」

モーリスはいじわるだ。
いつもこうしてわしに意地悪をする。
だからわしは威厳をもってダメといわなくちゃならん。

それから逃げ出さないようにさっきよりもっときつく抱きしめる。

そうするとモーリスはくつくつ笑ってわしの言うことを聞くのだ。

「キング、仲直りのキスをしましょう。」


わしの耳をくすぐるようになぜた手が、頬にかかる。たまには家来の言うことを聞いてやるのもキングの勤めだから、その手に促されるように顔をあげる。

顔が熱いのはもう眠いからで、目をつむるのも、もう眠いから。

モーリスの息遣いが、鼻にかかってくすぐったい。

何度か唇が合わさって、そうしたらその舌がこちらの唇をゆっくり這って、わしの口の中に。

「ん…」

答えるようにわしもその舌に舌を絡めて、小さく水音が立つくらいにキスをする。

モーリスはわしの頭を優しく掴んで、わしはモーリスの首に手を回して、長い長い仲直りのキス。

脳みそがとろけて流れ出しちゃいそうになったら、モーリスが口を離してしまう。
名残惜しくてまたひっついて、何度もキスをねだると、もうおやすみですよといわれる。
そんなのイカン。

すでに近い顔をもっと近くに寄せて、その大きな耳にそっと囁く。だって、わしの王国に帰ってきたのなら、お祝いをせねばいかんだろう?

だから、そんな意地悪を言わないで、わしの言うことを聞いて。

「まったくほんとに困った、わがままな私のキング。」

甘い、甘い、わしだけの、家来との睦言を。


END.

甘すぎて気持ち悪いくらいですね爆発する!
モリジュリもっとはやれよ・・・

2012.03.31.


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