※エルヴィンの自慰行為描写があります。























疲れた。
会議というのは何故あんなにも疲れるのか。
ナイルのせいか。

駄目だ、こんなことを考えていないで、早く眠らなければ。
その前にシャワーだ。
リヴァイほど潔癖ではないが、一日の汚れを纏ったまま横になるというのはあまり好きではない。

熱い湯を浴びて、体を洗って、そこでようやく気が付いた。
何故私の私が立体機動しているんだ。

思わず下品なことを考えてしまった。
ナイルのせいだ、絶対に。
あと、疲れているせいもある。

オスはもともと、疲れると子孫を残そうとする本能が働く。
リヴァイ風に言うなら疲れマラだ。

早く寝たい。
そのためには一刻も早くこれを処理しなければならない。

このまま何も見なかったことにしておけば、そのうち収まる。
だが、貴重な睡眠時間を確保するためにそれは効率的ではない。

シャワーはそのままに、愛しい人を思い浮かべて自身を握った。


なまえなら、どういう風に触るだろう。
いや、それだと時間がかかる。
最も手っ取り早く処理するためには、王都に向かう前の夜を思い出すんだ。

しばらく会えなくなることがわかっていたから、求め合うというより貪り合った。
何度回数を重ねても慣れない態度にそそられて、しかし甘やかした時のあの表情も捨て難く…


なぜ、一人でするとこんなにも早いのだろうか。
弱点など知りつくした自身のことだからか。

今頃、なまえはどうしているだろうか。
人類最強の虫除けをつけてきたが、万が一のこともある。

ちゃんと眠れているだろうか。
食事はきちんととっただろうか。


ナイルが予算案に関して、妙にネチネチしなければ今頃は兵団本部まで帰れていたのに。
なにをしてくれているんだ、あいつは、昔から、ずっと!

もういい、寝よう。
明日は早く起きて、すぐに本部へ戻ろう。









「おはよう、エルヴィン」

疲れすぎると、声も聞こえるし姿も見えるようになるのか。
どうせ夢なら、と私を覗き込むなまえもどきをベッドに引き寄せて抱きかかえてしまう。

「おはよう、なまえ」
「寝呆けてるの?エル?」
「そんなことはないよ、起きてるよ」
「…寝呆けてる」

失礼な。
ちょっと瞼が重いのと、声が思ったように出ないだけで。

「エル…」

私の瞼に、頬に、首筋に、小さなキスを降らせていくなまえ。
これはつまり、彼女からのお誘いだ。

私が寝呆けていると思って、早朝からこんなに大胆な行動に出たらしい。
普段見られない光景だが、少しだけ意地悪をしてみたくなる。

「駄目だよなまえ、昨晩もしたじゃないか」
「えっ?エルヴィン、どういうこと?」

薄目を開けて捉えた彼女は、酷く慌てた表情だ。
微かに震える唇にキスをして、頬に手を添える。

「君を想って、この手で」

それだけ言えばなまえは理解して、頬を赤らめる。
察しのいい子は嫌いじゃないよ。

「まさか、その一回だけであなたが満足するわけじゃないわよね?」
「…おや、今日は随分と大胆だね」
「何日お預けだったと思ってるの?」

私はその間、エルヴィンにすら抱かれてないの。

そう囁かれれば、目も開くし体のあちこちが覚醒する。
少しだけ強気な君に惚れたんだった。

「もう一度、君を愛してもいいだろうか?」
「一度なんかで終わらせないなら、いいよ」




L'Arc-en-Ciel/花葬

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