同棲






他人と住むなんて絶対に嫌だと思っていた。
タオルを共有とか、洗濯物一緒とか、自分のじゃない飲み物が冷蔵庫にあったり、髪の毛が落ちていたり、物音が聞こえたり、有り得ないと思っていた。
臨也は隣で眠る、金髪の男の寝顔を見て考える。
でも彼のタオルや洗濯物や飲み物や髪の毛なんかは、嫌じゃない気がする。物音も、そこに居るんだと考えて安心するだろう。
臨也は上半身だけをベッドから起こし、眠る静雄の髪の毛を撫でた。
一緒に住もうと言ったら、なんて言うだろう?
鼻で笑うかも知れないし、顔を真っ赤にするかも知れない。
起きたら言って見ようか。

一緒に住んで?



「プロポーズなのか、それ?」
「えっ」


100806 10:50
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