教室


「あっちい」
静雄は首に流れ落ちる汗を乱暴に手の甲で拭った。汗のせいか首筋がヒリヒリとする。
「シズちゃんさっきからそればっか」
静雄の隣に寝転がりながら、臨也はうんざりした声を上げた。「暑いの分かってるんだから、暑い暑い言わないでよ」
余計に暑くなりそうだ、と言って臨也はさっきから下敷きで扇いでいる。
臨也のそんな態度は綺麗に無視し、静雄はもう一度「暑い」と呟いた。
静雄は床に投げ出していたワイシャツで汗を拭う。このシャツを着て帰らねばならないのだ、と思うと溜息が出た。
たまに窓から風が入ってくるけど全く涼しくない。生暖かい嫌な風に、案外雨が降るのかも知れないな、と思った。
「さっさと帰れば良かった…」
ワイシャツに腕を通しながら、静雄は舌打ちをする。
「家だったらエアコンあるし涼しかったのにねえ」
臨也は下敷きを机の上に置くと立ち上がった。
誰もいない、茹だるような暑さの教室で、二人は殆ど裸に近い格好だった。
「手前ががっつくからだろ」
「だってシズちゃん教室でセックスすると締まるんだもん」
「もん、じゃねえよ。死ね!」
静雄は真っ赤になって机を蹴り、臨也は笑い声を上げた。


教室でえっちすんなって話

100803 14:15
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