Good morning my honey





時計を見れば朝の6時だ。まだ少しだけ起きるには早いけれど目が覚めてしまった。カーテン越しに見える外は薄暗い。遮光カーテンではないので明るいのは直ぐ分かる。

にしても。

「寒い」
最近めっきり秋めいて来て、もう直ぐ冬が来そうだ。
静雄は布団に再び潜り込んで、ちらっと隣に寝る男を見た。
臨也はこちらに背中を向けて、静かな寝息を立てている。布団から腕が出ていて、試しに触れてみればそれは冷たかった。
静雄は布団を肩まで掛けてやり、腕を仕舞ってやる。臨也は身動き一つしない。耳をすませば、すうすうと規則正しい寝息が聞こえて来た。
静雄は辺りを見回し、エアコンのリモコンを探す。それはベッドのサイドテーブルに置いてあり、暖房のスイッチを入れた。これで暫くすれば、部屋が暖まるはずだ。
静雄はぶるっと身を震わせて、体を丸くした。本当に今朝は寒い。
暖を取りたくて、臨也の背中にぴとっとくっついてみた。どうせこいつは寝ているのだし、構わないだろう。
少しだけ、臨也の体に腕を回してみる。暖かい。寝息で体が揺れる。
すると臨也が僅かに身動ぎをした。慌てて静雄は腕を離すが、その手首を掴まれる。「あ」と声を上げる間もなく臨也は体を反転させ、静雄を抱き締めてしまった。
「おはよう」
金の髪に顔を埋め、臨也の楽しげな声がする。静雄はそれに内心舌打ちをした。こいつ、起きてやがったな。
「シズちゃんから俺に抱き着くなんて珍しい」
「抱き着いてない。離せ!」
体を離そうとする静雄に、臨也は抱きしめる力を強くする。
「寒いんだろう?まだ俺の腕にいなよ」
臨也は静雄の顔を上げさせ、額に口づけた。ぴたっと静雄の動きが止まる。
とくんとくん。臨也の優しい心臓の鼓動を感じる。静雄は臨也の首筋に顔を埋め、腕を怖ず怖ずと体に回した。暖かい。
臨也の手が優しく静雄の髪を撫でる。静雄はそれが心地好くて、段々とまどろみ始めた。
もう寒くない。

2010/1028/0612
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