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「ん、…っふ…ぅ、ぁ」
「……もっと口を開けろ、マスター」
「は…ぅ、む…!」
じゅっという水音と共に舌ごと唾液を吸われる。酸素がなくなっていく。くらくらとする頭でぼんやりと考える。なんでわたしはこんなことをしているのだろう。
「…っ、う、はぁ…」
「ふ、気持ちいいのか?ナカが締まっているぞ」
「ん、っ!あ、あぁ、ひっ、!」
背筋が痺れるような快感が走って声を上げる。跨っていた腰を浮かそうとしたら、大きな手がそれを阻止した。そのまま再び深く穿たれる。
「あ、ぅ!っ、く…は、ぁあ…」
「…は、いい締め付けだ、マスター」
「ん、んぅ…!あっ、あ、ぁ!や、ぁ…!」
「なにを言う。こんなに濡らしておいて、冗談にも程があるぞ」
「───ひ、ゃ、あぁっ!」
座っていた筈の身体が浮いて、シーツに押し付けられた。ぐちゃり、という艶めかしい音が響いてお腹の奥に大きな塊が入って来る。より深く挿入された剛直にわたしの中が嬉しそうにうち震えた。感覚が焼き切れそうな快楽が、脳髄を、おかしていく。
「あ…あ、はぁ、ぁ…」
「またイったのか。感度が良いのも考えモノだな」
「……ぁ、…き、れい…」
「いい顔だな、楪。私の中の泥に、順調に同化していくおまえは美しい。どうだ?私の泥は美味いだろう?」
「…う、…ぁ」
どろどろに溶かされた思考では、なにもかんがえられない。目の前の男は酷く愉しそうにわたしの涙を舐めとった。身体の中で異質な力が蠢いている。左半身があつい。刻印が光っている。もっとほしい。
「…きれ、ぇ……もっと…」
「サーヴァントを求めて腰を振るなど…淫乱なマスターだ。…だが、」
「…あ、───ん、はあぁ…!」
ぐっと腰を引き寄せられて男の顔が近くなる。汗ばむ首筋から下がる十字架がわたしの胸に当たった。ひやりとした冷たさが、背徳の意識を呼び起こす。この男はわたしの魔力で生き永らえている、サーヴァント。人間ではないモノ。それでもその熱を求めて、焦がれて、腕を伸ばす。
「あっ、ぁ、う、ひ…っ、く…んぁ…!」
「その浅ましさすら美しく思えるのは、何故だろうな」
シーツを掴む手を絡め取られ、行き場を失くす快感。ねつが、あがっていく。 思い切り突き立てられた剛直が、理性をぶち壊す。
「っん───ぁ、やっ、あ、あああぁぁっ!」
「…っ、く……」
どくん、どくん。 身体が溶けだしそうな熱い液体が、体内をおかしていく。甘い痺れ。身体の痙攣が止まない。息を吐き出す唇の端から零れた唾液を、長い指先が掬いとった。 繋がっている感覚すらもきもちよくて。
「……は…ぁ、ん……ぅ…」
じわじわと貪られていく生命。なかに入って来る異質な力。それすらも同化して、飲みこんでいく。
「…まだ足りんだろう、楪」
「き、れ…い、」
「さあ、もっと私を求めるがいい」
滲む視界にわらうおとこ。 歪んだえがおに触れながら、わたしの身体は再び熱を持つ。 正しさなど最早無意味だ。 わたしのなかを満たすのは。 このおとこを満たすのは。 濁った愛情でしかないのだから。
許された心臓の末路 (毒されたのはどちらだ)
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