「何で銀髪のくせにこんなにちぢれてんの?銀髪と言えばサラッサラのストレートがお決まりなのに。あんたってどこまでも残念だよね」
「…うるせぇな。俺が妖狐蔵馬やイザークみたいなストレートヘアになってみろよ。厨二キャラは一人で充分だ」
「それ高杉のこと?」
「他にいるかよ」
「でも高杉って顔だけは良いじゃん。顔だけは」
「お前、あいつに惚れてんの」
「別に好きじゃないけどさ、ヤれるかヤれないかで言うとヤれる」
「じゃ、さっさとヤられてこいよ。ちなみにあいつ遅漏らしいから」
「うわ面倒くさ…一気に萎えた。それなら早漏の方がまだマシ」
「それ俺のこと言ってる?」
「うん。あんたのこと誘ってる」

もっと可愛らしく誘えないもんかね。皮肉を言う前に名前は俺の上に跨り、上半身に纏う衣服を一気に脱ぐ。爛れた関係に恥じらいなんて言葉はどこかに消えた。
主導権を握るのは基本的にマグロな俺ではなく名前の方だ。それでいてお互い不満のないセックスが出来ているのだから相性は良いと言える。良いというより良過ぎてしまい「早漏」というレッテルを貼られてしまった。俺だって自分が攻める立場ならもう少し長持ち出来るはず、名前がそれを許してくれるなら。

「もし高杉が銀髪だったらカカシ先生みたいな感じになってたって事だよね」
「カカシ先生は鬼太郎じゃなくてオッドアイみたいなモンだろ」
「あ、そっか…じゃああんたがオッドアイになればカカシ先生になるね」
「…いい加減黙ってくんない」
「あ、妬いた?」
「バカ言うなアバズレ」

恥じらいもデリカシーも消えた今この瞬間、たとえカカシ先生であっても俺以外の男の名前は聞きたくないと思う事は可笑しいだろうか。
先程まで罵っていた残念な銀髪を指に絡ませながら「気持ちいい」と呟く名前の姿を俺がハゲるまでずっと見ていたい。こんな爛れた関係でも、名前のことを大切にしたいと思う気持ちは可笑しいだろうか。
この愛情深い時間が長く続けば良いという願望はいつも届かない。

「あ、もう、やべぇわ…後でもっかい、しよ」