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▼ バレンタイン大戦そのいち(稲妻)
帝国 例によってギャグ 無印時空のつもり(不動さんはいない) めちゃくちゃ長くなったので分割してます
〜部室にて〜
佐「おら」 咲「なんだこりゃ」 佐「今日バレンタインだろ」 辺「げっ、お前からかよ……来月何せびられるかたまったもんじゃねぇな……」 佐「期待なんざ端からしてないから安心しろ。それと友チョコじゃないぞ。キャプテンチョコだ。そこんところ間違えないように」 寺「キャプテンネモみたいに言うな」 辺「キャプテンチョコって言うならもうちょっと質に拘れよ。何だよこのひと口チョコレート。田舎のばあちゃんちのお茶請けで出てくるやつだろ」 佐「ただのひと口チョコレートじゃない、ホワイト&ミルクチョコレートだ」 寺「拘りがあるところ悪いが値段一緒だろ」
成「ちわーっす。あっチョコだ。誰が持ってきたんすか?」 佐「俺だ。キャプテンチョコだぞありがたく受け取れ」 成「どうせキャプテンチョコっていうならチョコ○イぐらい持ってきてくださいよ、ケチなキャプテンだなぁ」 洞「今日バレンタインだからですか〜?」 寺「そうらしい」 辺「お前のことだから今年もせびる側かと思ったら用意はしてたんだな。まぁこれで用意したって言い張られるのも微妙な気持ちなんだけどよ」 佐「いや、最初はそんな気まったくさらさらこれっぽっちもなかったんだが」 咲「ないのかよ」 佐「恐らく……というか十中八九、源田は用意してるだろ?」 辺「あー……そりゃそうだろうなぁ。去年友チョコだっつって市販の缶入りアソートチョコ持ってきてたっけか。糖分補給に丁度いいっつって鬼道さん含めて大盛況だったのと、帰りに皆でコンビニ寄ってチョコ菓子買い食いしたのは覚えてっけど」 成「センパイたちそんなことしたんすか!? いいな〜いいな〜!」 咲「安心しろ、少なくとも源田に関しちゃ去年用意してたから、佐久間の言うとおり今年も持ってきてるだろうよ」 佐「そうなんだよ! 源田がちゃんと用意してんのに俺が手ぶらだと下がるだろ! こう、俺の品格みたいなもんが!」 成「誰も佐久間センパイに品格とか求めてないんで安心してください」 佐「何だと成神この野郎。……こほん、で、だ。あいつがやって俺がやらない道理はないからな。今年は気を遣って、わざわざ店で見繕ってきた」 辺「気を遣った結果が三百円弱って、お前悲しくない?」 佐「百円均一シリーズは避けたぞ。数も入ってるから皆で沢山食べてくれ」 寺「そういう問題か?」
成「というか、他のセンパイたちは持ってきてないんすか? さっきの話の感じだと持ってきててもおかしくないと思うんすけど」 咲「どうしてお前はそう目敏いかね。……まぁ、ねぇわけじゃねぇけど」 成「えっじゃあくださいよ! なんで出してくれないんすか!」 咲「別に今じゃなくたっていいだろ」 成「いやいやどうせなら今出しましょうよ。佐久間センパイが出してるんですし」 咲「……しゃーねぇ。渋ったところで意味ねぇしな。無駄にハードル上げてがっかりされたらたまったもんじゃねぇし、さっさと出しとくか」 洞「わ〜ポッ○ーだ〜」 寺「気負い過ぎず気を遣わせない、しかし紛れもなくチョコレートだからイベントの参加条件には当てはまっている……」 佐「箱がバレンタイン仕様なのも地味にポイント高いな」 咲「手が汚れにくいとこも評価しろ」
源「流石にもう集まってたか」 辺「おー遅かったな。さては女子に捕まってたクチか」 源「いや逆だ。捕まらないために迂回路を通ったりなんだりとしていたらな……」 寺「迂回路?」 源「ああ。成神、洞面、地図のおかげで助かったぞ。ありがとう」 洞「えへへ〜」 成「お役に立てたのならよかったっす」 辺「地図って何だよ」 成「まぁ、簡単に言うなら学校の見取り図と俺たちが実際通った道から割り出した抜け道メモっすね。秘密の抜け穴みたいな?」 辺「どこかの映画の地図みてぇなことしてんな。売るなよ」 成「…………やだなぁそんなことしませんよ」 辺「間が長ぇ!」 源「む、もうバレンタインの菓子を配っているのか。部活終わりの方がいいかと思っていたんだが、皆が出しているなら俺も出そう」 成「パッケージめっちゃオシャレなんすけど! やっぱ源田センパイセンスいいっすよね〜」 源「そうか? かわいらしいものだと少し気恥ずかしかったんで、落ち着いたものを選んだだけなんだが」 咲「中身もシンプルな感じでいいな」 辺「ゴテゴテしたのだと食べるのに躊躇っちまうからな……いやでも個数多くね?」 源「スタメン分と、あとは恵那先輩や大楠たちの分だな」 佐「配慮が行き届き過ぎだろ。くそ、これだから源田は」 成「センパイ! そのチョコを選んだポイントは!」 源「えっ何だ唐突に。……そうだな、もし食べたい形や味が被ったときのことを考えて、幾つかは同じ味と形をしたものが二個入っているものにしたことぐらいだろうか」 寺「気配りが細やか過ぎる……」 咲「しかし実際取り合いが起きないとは言い切れないので正論」 辺「去年は酷かったもんな……」
万「悪い、帰りのホームルームが長引いた」 大「む、チョコの匂いがするな……」 五「ククク、部活前だというのにもうパーティーですか?」 辺「んなわけないだろ。佐久間と成神が広げたんだよ」 成「人のせいにするのはどうかと思いまーす」 佐「まぁぶっちゃけ直近で練習試合組んでないし、今日ぐらいは遊んでもいいだろ。はいキャプテン命令です今日はバレンタインパーティーします!」 寺「どうにかしろ源田」 源「すまない、俺も持ってきた上に並べてしまった側である以上、反対できそうにない。というか、この状況で反対したところで佐久間が止まる気がしない」 寺「……くそ、色々言いたいことはあるんだがまとまらねぇ……」 辺「俺はお前の胃が心配だよ寺門」 咲「大体何が楽しくてバレンタインデーに男だけでパーティーしなくちゃならねぇんだ」 成「そこはほら、皆のアイドル成神くんが居るじゃないっすか」 佐「よし、そうと決まれば準備だ。各自ミーティングルームへ集まるように!」 咲「しょうがねー……」 辺「中途半端に広げちまったからな……」 大「何だかよくわからんが、チョコ食っていいのか?」 万「らしいな」 五「キャプテンの意向のようですし、大人しく従っておきましょうかね……」 洞「成神ガン無視されててウケるwww」
2020/02/19
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