「キャプテン!Hallo ween!お菓子をくれなきゃいたずらするよ?」
「え、わ、吹雪!」
「ほらほらキャプテンー!お菓子は?くれないといたずらしちゃうよ?」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
目の前であわてふためくキャプテンを見て僕は内心ほくそ笑んだ。
きっとこの様子ならお菓子を持っていないのだろう。
しかし僕はお菓子を貰ってもキャプテンにいたずらするつもりでいたが。
だって年に一度のイタズラをしていい日だもの、しなきゃ損だよね。
そんな僕を尻目に、キャプテンはうぅ…とショボくれている。
「キャプテンお菓子持ってた?」
「…残念だけど、持ってなかったや…ごめんな吹雪」
「ううんいいよ。じゃあイタズラさせて貰おうかな」
僕の言葉を聞き、キャプテンは身構えた。
がそれも一瞬で、何かを思い付いたように僕に近付いてくる。
「ハッピーハロウィンだぜ、吹雪。お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」
「えッ…」
「ほらほら、お菓子は?」
僕にお菓子をせがんでくるキャプテンは、まるで小さな子供のようにしてやったりと笑みを浮かべている。
うん、これはキャプテンに一本とられたな。まさか聞き返されるとは思わなかった。
「……僕の負けだよキャプテン。随分と悪知恵が働くんだね」
「まあな!…これでお合いこだから無しだよな、だから改めて吹雪、HappyHalloween!今年も宜しくな」
キャプテンはまるで新年でも明けたように僕に宜しくと言ってきた。まぁそれが彼らしいのだが。
でも、そんなキャプテンに振り回される日常も案外悪くはないものなんだよ。
「HappyHalloween、キャプテン」
これからも宜しくね