なぜキスの日になったのか | ナノ


キスの日小ネタ


※ご注意
・久々に書いたせいもあってか、安定のコレジャナイ感
・ところどころ、本編とは違った部分が見受けられます
・少女マンガじみた甘ったるさかもしれませんので、ご注意ください
・事前に報告書と追試のお話も読んでおくといいかもしれません




 ここ最近、ナインは会うたびにいつも不機嫌そうな顔をしています。理由はよく知っているのですけれど、残念ながら、私にはいまだそれを解消することはできなさそうです。
「いい加減に機嫌を直してはいかがですか?」
「何でこの前の約束はなかったことになってんだ、コラァ!」
「なかったことにはなっていません。あなたが不合格になっているから悪いのでしょう!」
 ことは数ヶ月前にさかのぼります。報告書を手伝えといわれ、手伝っている最中に追試などと都市伝説かと思っていたものに引っかかたことも聞きました。そこにこの不機嫌の原因があるのです。どうにもやる気を出してくれないナインが、一つだけ方法があると提案したもの。それは追試の結果に対する報酬……いわゆるご褒美。それでやる気が出るのならば、と了承したわたくしに彼が言い放ったのはこんな一言でした。

「んじゃあ、俺が合格したらクイーンからキスな」


「追試を受けたら、それだけでオッケーだったんじゃないのかよ!?」
「いいえ、間違いなく合格したらだといいました。しかも、わたくしではなくナイン、あなたがそういったのですよ!? 報酬のためにがんばると思っていましたけれど、どうも違ったようですね」
「いや、俺だって努力はしたんだぞ……その、たまたま範囲を間違えただけというか……」
「範囲の確認すらまともにできないんですか」
「ぐっ」
 いつもなら食って掛かってくるナインが、今日は妙におとなしいことに違和感を感じました。合格できなかったことがショックだったのでしょうか。それとも、悪かったと反省しているのでしょうか。範囲を間違えたままだっただけで、必死になって勉強したのかもしれません。もしそうだったとするなら、彼を責め立てるのは、なんだかかわいそうな気がしてきてしまいます。
「そういえば……」
 ……ふと耳にした話ですけれど、口実にはちょうどいいかもしれません。
「ナイン、今日が何の日といわれているかご存知ですか?」
「……今日? 何かあったか?」
 答える代わりに、少し背伸びをして唇を彼のそれと重ねました。
「今日はキスの日だと聞きました……と、特別措置ですからね!」
「……ははっ、かわいいことしてくれるじゃねぇかよ」
「わ、ちょっと、何……!」
 そのまま、勢いよく抱きしめられて額にそっとキスされました。
「今度は絶対に合格すっからよ」
「その前に追試に引っかからないように、日ごろからきちんと勉強してください……」




あとがき
2012年のキスの日のネタとしてPCサイトの方のmemoに投下したものを。
小ネタなので、とっても短い……久々に書いたこともあって、とっても
不安な部分がたくさんあります……_(:3 」∠)_



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