サクラ | ナノ




「なぁ、みんな。公園行って桜開花してないか見に行かないか!?」
「いいよ。」
「もうそんな季節か〜。一年って早いね。」
「ハチはいつまでも子供だよな〜。そういう行事的なものが好きなとこ。」
「なんだとー!三郎、表に出ろっ!」

この季節になると、必ずハチは俺らを誘って花見に行く。桜が咲くのが待ち遠しくて、いつもまだ咲いてないのに桜を見に行った。

そういえば、俺が彼女と出会ったのもこんな季節だった。
まだ桜が咲くか咲かないかの蕾のころだったはず。彼女はとても不思議な人だった。でも、ハチと同じいやそれ以上に桜が好きだったところをすごく覚えている。
彼女と出会ったのも桜が咲いているかを確かめに公園に行ったときだっけ。

「懐かしいな、あれから何年たったか…」
「兵助、どうかしたの?」
「いや、なんでもない。…それよりハチが痺れを切らしそうだぞ。」
「本当だ!…兵助行くよ!」
「あぁ。」


君と出逢って、俺は君に恋したんだ。
((――月日は三年前に遡る))



始まりました!切ない系になると思いますが、よろしくお願いします。






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