酔っ払いと新婚ごっこ



「あなた、ご飯かお風呂?
それとも…メル……?」

「…………」




顔を真っ赤にしたメルが、僕に対して新婚ほやほやの新妻みたいなセリフを言う。

普段自分から愛の言葉を述べることの無いメルがこんな状態なのには理由があった……


お酒だ。


今日は珍しくメルが僕の居城に遊びに来ていた。

侍女が出してくれたチョコレートを食べながら何をするかを話していたんだが、食べていたチョコに問題があった。

そのチョコレートには国で作られている赤ワインの成分が含まれていたらしく
美味しい美味しいと何個も食べていたメルはあっという間に酔っ払いへと変身してしまったのだ。


しかも酔っ払いが決めた内容は「新婚ごっこ」ときた。

普段ツンツンツンデレなメルが酔って素直に甘えてくるとはいえ、この状況では僕の下半身が危な……


「こらぁ王子、ちゃんと私の話を聞いてるのかい!!」

「もちろん聞いてるよ?」

ハッと返事をし、馬鹿と繰り返しながらもフラフラと甘えてくるメルの身体を支える。

柔らかい唇へ自分のそれを重ね、シャツのボタンを手際よく外してやればメルは妖艶な笑みを浮かべた。


「王子、最初に私がした質問の答えは?」

「あぁ、もちろん……」




(昼下がりのベッドルームに新妻の歌声が響くまで30秒)












酔っ払いメルメルはきっと可愛いと思います!←


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