キスと個人授業



メルと付き合い始めてから早くも一ヶ月が経っていた。



世間の幸せなカップルといえば、手を繋ぐのはもちろんキスをしたり、早ければ二人の愛を確かめあう行為に発展しているはずだ。
だがしかし、発展が早すぎるのも大変だが、僕達の場合少し発展が遅い気がした。

「僕の可愛いメルヒェン、そろそろキスくらい普通に…」

「いやだっ」


いつも通り宵闇の森でエリーゼ嬢から隠れて逢引き中。

古井戸に腰掛け、手はしっかり繋いでいるのに恥ずかしいのか、顔を赤らめながら妙に距離を開けてくるメルは初々しくてとても可愛い……が


「メル、今からキスしても…」

「やだったらやだ!」

ことごとくキスを拒まれ続けているのだった。


……痛い、強引にしようとしたら指揮棒で叩かれた…

拒まれ叩かれを10分ほど繰り返した後、キスをしたくない理由をメルに聞いてみることにした。


「メル、どうしてキスしたくないんだい…?」

子供に問い掛けるように優しく尋ねてみる。
ぷいっ、とそっぽを向きながらもおずおずとメルは口を開いた。


「キスしてる時の、顔…見られるの恥ずかしいから……」

「………あんなに可愛いキス顔なのにかい?」

素直に言った言葉で地雷を踏んだらしい、べしべし指揮棒で叩かれながら馬鹿だのアホだのと罵倒された。
苦笑いを浮かべながらメルの身体を抱き寄せ、そのまま触れるだけのキス。


「キスくらいで恥ずかしがってたらアレは出来ないよ?」

久々の接吻に満足した様子で唇を離し、意地悪く言う。


アレって何?と首をかしげながら興味津々に見つめてくるメルはとても愛らしい…

メルには個人授業をしてあげるよと楽しそうに笑い、何か言おうとしたメルの唇をもう一度自分のそれで塞いだ。












初書き小説、gdgdだわ;;


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