「よくやった。上出来だ」
初めてヨハネスに褒められた。
驚きのあまり、一瞬、声が喉の奥から出てこなかった。
「・・・・・・」
暗闇の向こう、背の高い男を見上げる。
ーーーいつもとなんら変わりないヨハネス・フォン・シックザールだ。
「・・・どうした。随分と顔が赤いが・・・」
熱でもあるのか、と問う声音は、少しだけ優しく思えた。
初めて褒められ、初めて心配される。
・・・それだけで心臓が痛い。
「・・・ッ、明日のっ・・・予定を聞いても・・・?」
「ああ・・・そうだったな」
だからだろうか。
あまりの喜びに、自身でも分かるほどの紅潮した頬と異常に熱い体、そして疼く中心を一瞬で忘れさせた目の前のヨハネスを眺めることしかできなかった。
ーーーどうしよう、嬉しい。
初めて・・・認められた。今まではどんなに頑張っても、それが当たり前・・・頑張らなきゃ捨てられるとしか考えてなかったのに・・・。
どうしよう・・・嬉しい。
「・・・ッふ・・・」
「・・・ケイト?」
何故か、胸が熱い。
「・・・・・・・・・」
「・・・んっ・・・」
脚に、力が入らない。
「・・・ああ、そうか」
ヨハネスが近づいてくる。
「快楽の逃し方については教えてなかったな」
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