例えば
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例えば、きみがいなくなってしまったら、
俺は、きっと、
「例えばね、この先涼太が本格的にモデルに集中したら、涼太はわたしを捨ててしまうのかな。」
そう、俺の彼女が友人に言っているのを聞いた。馬鹿だなあ。そんなこと、あるわけないのに。
そんな彼女は今、俺の部屋にいる。
「今日は泊まってくんスか?」
そう聞けば、俺の腕の中で首を縦に振った。
「今日はすごく甘えたっスね。どうしたの?」
「…そういう気分なの」
俺に捨てられることを考えたら、悲しくなったのかな。
かわいそうに、と小さく笑って、no nameを強く抱きしめた。
「俺は、どこにも行かないっスよ」
頭を撫でながら、耳元で囁くと、俺の服が濡れた。
「…ずっと一緒?」
「うん。ずっと一緒。」
きっとこの言葉は呪いだろう。
でも、この言葉で縛りつけておかないと、きみは俺の前からいなくなってしまうかもしれないから。
「死んでも一緒だよ」
そしてキスを落とすと、彼女は満面の笑みで笑った。
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