あとがき
近いうちに元号が変わる。と知ったとき、真っ先に「あっ蛍火やべぇ」と思いました。夢主が平成生まれ、という設定だったからですね。おかげで火がつきました。
完結させるつもりは、なかったんです。でも完結させたくなったので、完結まで持ってきました。おかげで最近は、新訳の作業しかしていません。
「完結させる」という目的と「好きなように書く」という目標は、私には両立ができませんでした。終わらせる、となったからには断腸の思いで削ったものがそこそこあります。ゲンさんとヒカリのくだりもそうですし、登場を予定していたルギアもそうです。Nやアカギさんもちょこっと出したかったんですよ。伏線は張っておりましたし、以前設置していたアンケートも、目標のためにおこなっていました。こちらを回収できなかったことは、まことに申し訳ございません。
悔いは気が向けば、番外編で、拾えるぶんだけ拾えたらいいなぁ。
そうして削れるだけ削って出てきたものを興すと、あー、これは夢主が主人公の物語なんだなぁとしみじみ認知できるようになりました。文体も変えてみたので、ますますあくまで夢主の話でしたね。
焼き直し前とは別物ではない、と考えております。だって話の筋がぜんぜん変わっていない。中盤から終盤にかけてのあれこれも、何年も前から決めていました。変わったのは結末だけです。ここだけ想定外に落ち着きました。
B2W2が発表されたばかりのころの広告を、覚えてらっしゃる方はいますでしょうか。凍りついたイッシュ地方のマップです。あれを見たときに、展開がするするっと降りてきたのです。少しあとのマグナゲートで、思わずガッツポーズをしました。そんなふうに、あのころのことからいろいろインスピレーションを受けて大幅な流れは成りました。
最初から分かっていたことを選ぶために、それが選べるようになるまで膝が折れても諦めきれなかった、往生際の悪い夢主の一年間。
これはそういう話だったのだと、思っていただければ幸いにございます。
カナメの冒険は、ひとまずこれにて一区切りとなりました。
蛍火を、たくさんの方にお目通しいただけたことを存じております。
感想や絵などをお贈りくださり、本当にありがとうございました。すべて拝見しております。いただくたびに嬉しかったです。
それでは、これにて失礼いたします。
20180328 赤瀬
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