諭す
審神者として、刀剣たちと過ごす中で、夜が少し寂しいなって日には、誰かと一緒に寝るようにしている。
みんなとも、スキンシップが取れるしいいことだと私は思っていた。
けれど、最近は光忠が反対してくる。
「今日こそは今剣と寝ます」
「ぼくも主とねたいです」
「ほら、こう言ってるし、今日は光忠!邪魔はしないでください」
枕を持った今剣の手を握り部屋に向かおうとすると、やっぱり燭台切さんが邪魔をしてくる。
でも、今回は何故か長谷部さんまでも邪魔をしてくるので何かあるのかと思う。
今剣をぎゅーっと抱きしめながら反応を待ってみると、長谷部さんが口を開く。
「主、今剣はそのような姿ですが僕たちよも十分年上なのですよ」
「えっ、そうなの?」
「うん、そうだよ」
満面の笑みで返されるけれど、私は少し引きつってしまった。
こんな可愛い今剣が長谷部さんたちより上って何かの陰謀だと思う。
年上と事実を知らされたとしても、私が今日一緒に寝たいのは今剣なのだ。
だから、ここで私は主張を変えるわけにはいかない。
「それに、皆が思ってるようなことなんてないよ。ねえー」
「ねえー」
と、ふたりで顔を合わせながら言ってみると「今剣は主が言いたいことがわかっていないと思うよ。それに、僕が主に言いたいのは、もっと危機感を持ってということなんだけどな」なんて、光忠が言うものだから、その場は静かになってしまった。
「えっ、ちょっと光忠。あなた、サラッと男前な発言しているようですが、何を想像していらっしゃるんですか?若輩者故に、理解できないのでしょうか、長谷部さん」
「そこ、私に振りますか」
「わかりました。燭台切さんも主のことが、きっとすきなんですよ」
「そうなんですか?」
満面な笑顔を浮かべた今剣の発言に光忠の頬が赤く染まる。
おまえは、女子か!って言いたかったけれど、そこは我慢をして反応を伺う。
「今剣の言うとおりだけど、僕は莉玖を独占したいって思ってるんだよ」
「…っえ、それってその…光忠が添い寝してくれるの?」
「それは、莉玖が望めば」
「へへ変態!!!無理、無理、無理!!!!今剣行こう」
平手打ちを光忠に食らわせ、今剣を抱えて寝室へと向かい、そのまま夜が開けるまでぐっすりと眠る。
朝ごはんを食べに手を繋いで行くと、鶴丸に爆笑されている光忠がいて可哀想に思うあけれど、無視するしかない。
昨日のことを思い出すと、光忠のことを意識しないわけがないからだ。
201505111