ぼくの巣食う惑星


「レギュラスくーん、遊びましょー」と、談話室で大きな声を出してみたら、マルシベールさんに、めっちゃめちゃ怒られた。
風紀が乱れるとか、スリザリンではなくてグリフィンドールか、とまで言われると流石に凹む。
風紀が乱れるのは、いいとして、グリフィンドールって言われるのはあまりいい気がしない。
私は自分の血に誇りを持っているからかもしれない。
ブラック家の「純血よ永遠なれ」って、言葉は本当に素敵だと思っている。


「ねぇねぇ、レギュラス。今日こそ一緒に遊んでよね」

「ジェミニー、もう少し上品になってはどうですか。母上も泣いているはずですよ」

「まあ、まあ。堅いことは気にしないでよ」


レギュラスの隣に座りながら、頬を突っついていたら、「やめてください」と、顔を赤くしながら言うものだから面白い。
本当にいじりがいのある人だと思う。
スリザリン生は好きだけど、それでもわいわい騒ぐような感じてはない。
スリザリン生の半分以上が純血の家系だからかもしれない。
それが、少し寂しい。
私は純血に誇りを持っているけれど、それでも少しグリフィンドールみたいな感じにも憧れる。
それを実現してくれるのが、このスリザリンの人気者レギュラス・ブラックだ。
ルシウスさんがいなくなってからは、結構バラバラだったのに、レギュラスが入学してからは、レギュラス中心にこの寮は回ってる気がする。
それが、少し不思議だ。
レギュラスには、言ってはいけないと思うけれど、ルシウスさんのような華やかさはないと思う。
華やかさなら、兄のシリウス・ブラックのほうがある。
結論、レギュラスは地味だ。
だから、私はいじりたい。


「それにしても、レギュラスくん。面白いことはないかね」

「本当に何を考えているかわからない人ですね」

「わかってもらわなくてもいいよ。私のことを理解してくれる人は必ず現れてくれるから」

「無理だと思います」


バッサリと斬ってくるところが、好感ポイント。
そんな可愛いレギュラくんの髪をぐちゃぐちゃにするかのように撫でまわす。
犬かってくらい撫で回していたら、マルシベールさんの制止が入ってしまったために、これ以上撫でられなくなってしまった。
さっきから、顔が真っ赤になったり真っ青になったり忙しいレギュラスは、ネクタイを少し緩めながら溜め息を吐く。


「幸せ逃げるぞ」

「これくらいで、逃げるわけありませんよ」

「流石、ブラック家のご子息様」

「ジェミニーは、直ぐにそう茶化す癖を直したらどうですか」

「無理だよ。だって、私がふざけられる相手はレギュラスだけだもの。マルシベールさんなんかにしたら、殺される」

「僕だけの特権なんですね」


と、見たこともない黒い笑みを浮かべたレギュラスに、動けなくなった。
いつから、悪い顔が出来るようになったのか不思議に思いながら、そんな笑みのレギュラスを、また撫で回した。
今度はマルシベールさんの制止を振り切って。


20150307
Title:リラン


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -