狩屋視点。
………………………………








部活の休憩中には、部員同士の交友関係が顕著に現れる。


すっかりお馴染みの一年生組とか。個性突出しまくりの2年の先輩方三人組とか。まさに漢!って感じの三年生方とか。


…あと、忘れちゃいけないのが。



あの人達。



肌にタオルを擦り付けながら、やたら目を引く2人組を睥睨する。

女子からは様付けがデフォルトとなりつつあるイケメンと、可憐な顔立ちに性別詐称疑惑の絶えない美少年。

茶色と桃色。柔らかな二色の頭髪を風に靡かせながら仲睦まじく語り合う2人は、随分と絵になる。

惜し気もなく繰り広げられる美の共演に、彷彿と募る苛立ち。




なにあれ。回りに花舞ってんじゃんか。

うざぁ。




タオル越しに睨み付け、悪態付いた。



霧野先輩とキャプテン。

幼馴染みだかなんだかしらないけど。2人の間を満たす雰囲気は、優雅とか美麗とか、俺が思い付く限りの美辞麗句を並べ立てても、過言にならず。

お似合い″の一言が本当にお似合い。




あぁ、むかつく。




ジトーッと、仲睦まじい2人を威圧的に凝視する。

と、キャプテンと目が合った。

「やべ。見すぎた」とか内心慌てふためいていると、彼の口の端がつり上がり、挑発的な笑みが此方に放たれ。




ザワッと、心が騒然とする。




不適な笑みを浮かべるなり、パッと視線を反らす彼を見、呆然と立ち尽くした。



なに、今の顔。

まるで「霧野は俺のだから」とでも言いたげな、勝者の笑み。




うわぁ。むかつくむかつく。
腹立たしい。




傍らの水分を引っ付かんで、ぐい飲みした。

腹の方へ下っていく冷たさに目を瞑る。

一息付いて、口を拭った。





…そもそも。

俺とキャプテンじゃ、余りにも差がありすぎると思うのだ。

俺と彼を恋敵と称するには、憚りの念が生まれてしまうくらいだもの。

せいぜい俺は、彼にとってお邪魔虫″とかその程度の存在だろう。


まあ、だからこそ俺は、燃え上がっちゃうっていうか。

意地でも、先輩を手に入れたくなっちゃうんだけどね。

こちとら性悪で、根っからの負けず嫌いなんで。


よぉっし。反撃開始。

鼻っから彼と対等にやりあうつもりはないのだ。


お邪魔虫にはお邪魔虫なりの、やり方ってもんがあるんだよ。







暢気な温室育ちのお坊っちゃんに、

目にものを言わせてやる。










お邪魔虫
(絶対に、あきらめてなんかやらない)









‐‐‐‐‐‐‐‐
2009/03/31
ひとこと



私の書くマサ→蘭←拓って、どうしても狩屋くんが劣性になりがちな気がします…。

本当にもっと神童くんが狩屋くんを挑発してほしかったのですが、キャラが崩れすぎたので自重致しました…(汗)


やっぱり三角関係は楽しいです!!

リクエストありがとうございました!!

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