いたずらしちゃうよ 02

「シンさーん、お昼食べないんですか?」
何度呼びかけても全然反応せずスースーと眠るシンさん。
ずっと見てたらまた見惚れてしまいそう。
(綺麗だな…)
ベッドの脇に座り込んで、頬杖をつきながらシンさんの寝顔に見入ってしまう。

そっと頬を触って名前を呼んでみるのだけど、やっぱり起きない。
(んーどうしよう…)
「シンさん、起きてくれないといたずらしちゃいますよ」
なんて言っても反応がないから、そっと唇に触れてみる。
それでもシンさんは起きない…

(キスして起きなかったらこのまま寝かせてあげよう)
意を決して、そっとシンさんの唇にキスをしてみる。

「……っ?!」
急に抱き締められた?!
しかも触れるだけだった筈のキスがだんだん熱を帯びてきて…
シンさんの舌が入ってくる…!!

「…っ、はぁっ!」
やっとの思いで息をしながらシンさんの顔を見ると、ニヤリと笑っていた。
「…っ起きてたんですか?!…っいつから?!」
私が言うとシンさんは不敵な笑みを浮かべたままで言った。
「いたずら、したかったんだろう?」

(えぇっ聞かれてたの?!)
耳まで熱いから、きっと今私は茹で蛸みたいに真っ赤になってると思う。
「…起きてたなら、教えてくれればいいじゃないですかっ!」
シンさんの厚い胸板をグーでぼんぼんと叩きながら文句を言うのだけど、シンさんが抱き締めたままだからろくな反抗も出来ない。

「お前がどんないたずらしてくれるのかと思ってな」
そう言ってシンさんは私を抱いていた手を離すと、起き上がって着替え始めた。

「もーシンさんはっ!」
私がまだベッドに腰掛けたままぶつぶつ文句を言っていると、シンさんが「行くぞ」と言って扉を開ける。

開けられた扉から私が部屋を出る瞬間、シンさんがそっと私の耳に囁いた。
「今夜は俺がいたずらしてやるよ」


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