花言葉


セトマリで、ふわふわした感じを想像しながら書きました。
セトの口調がよくわからなかったので、変なところがあるかもしれないです。
それでもOKな方はどうぞ。
















少し涼しくなってきたこの頃。
小窓から差し込む光の暖かさで俺は目覚めた。
時計を見ると9時前を差している。


「寝坊しちゃったすね…」


大きなあくびをひとつして、立ち上がり背伸びをする。
今日はのんびりだって?
実は、バイトも任務も休み。
久々の休みで少し気が緩み過ぎたかも。
朝食の時間に誰も起こしに来なかったのは、きっと皆なりの気遣いなんだろう。
おかげ様でよく眠れた。
窓に近付き開き、新鮮な空気を体に取り込んだ。


「良い天気っすねぇ」


雲がひとつもない。快晴だ。
今日はマリーを連れて散歩にでも行こうか。
そんなことを考えながらリビングへ足をはこんだ。
ドアを開けると、テーブルの上にはご飯とメモ書き。
さすが、メカクシ団のお母さん。
そしてその奥のソファには。


「おはよう、セト」

「おはよう」


本を膝の上に広げ、笑顔でマリーは出迎えてくれた。
俺は彼女のもとへ行き隣に座った。


「セト、今日はお寝坊さんだね」

「おかげ様でぐっすり眠れたっす」


そう言って笑うと、笑顔が返ってきた。


「ところで、何の本を読んでるんすか?」

「お花の本だよ。いっぱい載ってるの!」

「“花言葉”って知ってるっすか?」

「はなことば?」


マリーは不思議そうな顔をして首をかしげる。
そんな彼女から本を拝借し、ページをめくりながら俺は口を開いた。


「お花にはひとつひとつメッセージがこめられてるんすよ」

「メッセージ?」

「例えば…」


これ、とあるページを指差した。
彼女はそれを覗き込んで。


「…シロツメクサ?」

「この葉っぱの四葉のクローバーには“幸福、幸せ”って言うメッセージがあるんすよ」

「へぇー」


好奇心旺盛なマリーは興味津々のようで。
身を乗り出しながら聞いていた。


「セト、いろんなことを知ってるんだね!」


彼女は目を輝かせながら俺を見上げている。


「他には?」

「知らないのもあるっすけど。知りたいのあるっすか?」


あのね、とマリーはページをめくり始めた。
白く細い指が素早く動いて。
ある花を指差した。


「これ」

「“薊”っすか…」

「知ってる?」

「 確か“厳格、復讐、満足、触れないで、安心 ”っす」


そう伝えると、ふと手に温もりを感じた。
見ると、マリーが俺の手を握っていた。


「どうしたんすか?」

「あっ、いや、あの…」


彼女は手を離してしまい、顔を少し赤らめて。
でも、すぐに少し寂しそうな顔をした。


「“触れないで”って、なんか寂しいね…」


だからか。


「きっと、その外見からつけられたんすね」


俺はマリー膝の上にあった手をぎゅっと握りしめた。
すると、彼女は少し顔を赤くして。
俺を見ると小首を傾げた。


「俺はマリーに触れてほしいっす」


そう言って笑うと、彼女も笑ってくれた。
他に聞きたいものがないか聞くと、思い出したようにページをめくり始めた。


「あのね、お母さんと同じ名前のお花見つけたの。えっと…、これ!」


彼女の指差したそこには薄紫色の可愛い花があった。


「シオンは“ 遠方にある人を思う、思い出、君を忘れない、追憶 ”すね」

「いろんなメッセージがあるんだね」

「マリーの名前が付いたお花もあるっすよ?」


ページをめくっていると、興味津々に身を乗り出すようにして本を見つめている。
これ、とあるページをさした。


「マリーゴールド…。シオンと少し似てるね」

「そうっすね。この花言葉は“ 悲しみ、嫉妬“とか悲しいのもあるっすけど”悪を挫く、勇者、可憐な愛情”ていうのもあるんすよ」

「そうなんだ、すごいね」

「あ、そうだ。花言葉がマリーに合う花、教えてあげるっす」


俺は覚えている花言葉を絞り出しながらページをめくった。
赤、黄色、白…。
色とりどりの写真がどんどん流れていく。
そして、俺は手の動きを止め彼女の膝の上に本を乗せた。


「…オレンジ?」

「そうっす。オレンジの花言葉は “純粋、愛らしさ、華美”。マリーにピッタリっす」


マリーは少し頬を染め、ありがとうと笑った。
やっぱり、マリーの笑顔が一番だなとか思ったり。
すると、彼女は何か思いついたように、あのねと口を開いた。


「花言葉とかわからないけど、私もセトに合うお花思いついた」


と、おもむろにページをめくり始めた。
俺の頭の中はハテナが浮かんでいて。
しばらくその姿を見ていると、あったと俺の膝に本を置いた。
そこに載っていたのは。


「ひまわり?」

「うん。セトの笑った顔、何か優しくて暖かくて大きくてひまわりみたいで好きなの」


確か、ひまわりの花言葉は…。
それを思い出し、少し照れてしまう。


「“ あこがれ、光輝”。ひまわりの花言葉っす。」

「セトにピッタリだね」

「それと、“私の目はあなただけを見つめる、熱愛、愛慕 ”っす」


今、顔赤くないかな。
そんなことを心配しながらマリーを見る。
意味を理解したのか、彼女は顔を赤くして少し俯いた。
これは、少し期待してもいいのかな?


「マリー」

「え?なぁに?」

「まだ少し早いかもしれないっすけど」


俺は、また本のページをめくって。


「この花、マリーにプレゼントっす」

「…チューリップ?」


マリーはわからないという顔をしていた。
まぁ、そうだろう。


「これ、どんなメッセージがあるの?」

「それは…、秘密っす」

「えー!教えてよ!!」

「さーて、ご飯食べるっすかね。マリー、今日一緒にお散歩行かないっすか?」


俺はそれをはぐらかすようにテーブルへと向かった。

まだ、少し早い。
もう少し、俺が…。
それまで、まっててくれるっすよね?


チューリップの花言葉



“愛の告白”

“永遠の愛”







あとがき
わああああ
話がまとまってなさすぎる…
ふわふわした感じを書こうかと思ったら…
セトマリ、もっと勉強してきます(泣)
最後になりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました!

2013/10/03 桜音

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