赤ずきんちゃん
童話の赤ずきんちゃんを元にカノキドで作ってみました。
受け付けない方は回れ右でお願いします。
キャスト:赤ずきん/キド オオカミ/カノ お母さん/セト おばあさん/マリー
友情出演:村の人/モモ・エネ・ヒビヤ・コノハ 猟師/シンタロー
とある村に、少し男勝りだけど色白できれいでとても可愛い女の子がいました。
おばあさんがこしらえた赤いずきんを毎日かぶっていて、それがとても似合っていたので、村の皆は女の子のことを“赤ずきんちゃん”と呼んでいました。
ある日の事。お母さんは赤ずきんに言いました。
「赤ずきん。おばあさんが病気になったみたいなんすよ。お見舞い行くついでに具合を見てきてくれないっすか?」
「わかった」
「それじゃあ、このケーキとブドウ酒(もちろんジュース)を持って行くっす」
お母さんはバスケットにその二つを入れて赤ずきんに渡しました。
だけど、お母さんには一つ心配なことがあるのです。
それは、赤ずきんが一人でおばあさんのところへ初めて行くことでした。
しかしお母さんは、用事があるので一緒に行くことが出来ないのです。
そこで、お母さんは赤ずきんに注意をしました。
「いいっすか?途中で道草なんかしちゃダメっすよ?あと、オオカミには用心するっす。どんな悪いことをするか分からないから話かけられてもしらんぷりするんすよ?」
「あぁ、分かった」
赤ずきんはお母さんを安心させるように。
「行ってきます」
と、元気良く出かけて行きました。
おばあさんの家は森の奥にあります。
その日は天気が良くて、赤ずきんはワクワクしていました。
と、そこへオオカミが現れました。
「こんにちは。可愛いキ…、じゃなくて、赤ずきんちゃん」
オオカミはニコニコしながら赤ずきんに話しかけました。
赤ずきんはお母さんに言われたことを思い出しましたが、動物好きな赤ずきんには、ニコニコしているオオカミが悪い動物に見えません。
「さようなら」
「ちょ!!待ってキド!!それじゃ、話が進まないよ!!」
「はぁ…。こんにちは、オオカミさん」
赤ずきんが返事をしてくれたので、オオカミはニヤリと笑うと赤ずきんに訊ねました。
「赤ずきんちゃん、今からどこへ行くの?たった一人で」
「おばあちゃんが病気になったから、お見舞いに」
(えっ、おばあさんじゃなくておばあちゃんとか可愛いんですけど)
「そうなんだ。それは偉いねぇ。…おや?そのバスケットの中には何が入っているの?」
「ケーキとブドウ酒だ。おばあちゃんの病気が早くよくなるようにな」
「なるほど。それでおばあさんの家は遠いの?」
「森の奥の方だ」
オオカミは村の皆の話をこっそり聞いていたので、赤ずきんのことが気になっていましたが、実際に会ってみると思った以上にきれいで可愛かったので、赤ずきんを(いろんな意味で)食べたくて仕方ありません。
オオカミは少し考えて言いました。
「赤ずきんちゃん。おばあさんの家に行く前によーく周りを見てごらんよ。こんなにきれいなお花が咲いているし、小鳥は歌っているよ。せっかくだから、楽しく遊びながら行ったらどうかな?たとえば、花を摘むとか」
赤ずきんはオオカミの言う通りだと思いました。
花を摘んで行けば、おばあさんはきっと喜んでくれるに違いありません。
「そうだな。花を摘んで行けばおばあちゃんも喜ぶかも…」
赤ずきんはオオカミと別れて、早速いろんな花を探し始めました。
さて、赤ずきんと別れたオオカミは、そのまま真っ直ぐおばあさんの家へ行きました。
トントン―
「は、はい、どちら様?」
オオカミは女の子の様な声を出しました。
「赤ずきんだよ。ケーキとブドウ酒を持ってきたんだ。開けてくれない?」
おばあさんは何かおかしいな?と思いましたが、可愛い孫が来てくれたので喜んで言いました。
「えっと…。おや、赤ずきんかい?鍵はかかってないから入って来ていいよ。私は体が弱っていて、ベッドから起きられないから」
「そうかい。それじゃあ、遠慮なしに」
オオカミは戸を開けて中に入ると、ベッドに寝ているおばあさんを脅かしました。
「きゃあああああああ!セトぉー!!」
おばあさん(?)は驚いて家から逃げて行きました。
オオカミは、おばあさんの洋服を着て、おばあさんのずきんをかぶりベッドの中に潜り込みました。
その頃、赤ずきんはおばあさんにあげるための花を持っておばあさんの家に向かいました。
トントン―
「はい、どちら様?」
「俺…、赤ずきんだ。ケーキとブドウ酒を持ってきた。開けてくれないか?」
「おや、赤ずきんかい?鍵はかかってないから入って来ていいよ」
赤ずきんは少しおかしいな?と思いましたが、きっと病気のせいだと思い戸を開けて中に入りました。
「こんにちは、おばあちゃん」
「こんにちは」
赤ずきんは持ってきたバスケットを机の上に置いて、おばあさんが寝ているベッドに近付きました。
おばあさんの様子がいつもと違うことに気付いた赤ずきんは、思い切って訊ねてみました。
「おばあちゃん。おばあちゃんの腕は、ずいぶんと大きいんだな」
すると、おばあさんに化けたオオカミが言いました。
「お前のことを抱きしめるためだよ」
「それに、耳がずいぶんと大きいんだな」
「それは、お前の声をよーく聞けるように」
「それに目が妖しく光って、何か怖いんだが」
「セリフ違うよね?まぁ…、いいけど。怖がることはないよ。可愛いお前の顔をよーく見るためだから」
(あ、ちょっと赤くなった…)
「そ、それに、口が大きいみたいだ」
「それは…」
「それは?」
オオカミはニヤリと笑って。
「お前を食べるためだよ」
そう言って赤ずきんをベッドに引き込みました。
「なっ!!何するんだ!台本と違うだろ!」
「だって、キドが可愛いからいけないんだよ?」
「っ!!!」
「もう我慢できないから。それじゃ、いただきます」
「まっ…!あっ!」
赤ずきんは、盛っているオオカミに食べられてしまいましたとさ。
「マリー!見ちゃダメっす!聞いちゃダメっす!」
「ふぇ?」
『わぁ、大胆ですねぇ』
「何してるんだよ。てか、俺の出番ねぇじゃん」
「と、トイレ行ってきますっ!!」
「…」←顔そらしてる
「ねぇ、ヒビヤ。お腹すいた」
あとがき
赤ずきん、カノキドver.です!
書いてみたくて…。
すみません…。
2013/07/17 桜音
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