恋っていうのは本当に唐突で。
理想だとか、タイプだとか、
全然関係なくって。
傍に居るだけで胸がどきどきして、
ああ、これが恋なんだ。
って一人で納得してしまう。

しかも、一人で苦しんでる。
自分だけが相手のことを想ってて
相手はそれに気づきもしない。
それは悲しい、というよりも、寂しい。
どうして気付かないんだ。
こんなにも好きなのに。
なんて、悲観的になっても仕方がないのに。
どうしても貴方の所為にしてしまうの。
恋って大変。


「おい、」
「ん?」
「何してんだよ」
「日向ぼっこ」


マストを背にぼけーっとしていると、声をかけられた。
しかも、その人が私の想い人。


「お前も暇だな」


別に暇じゃないのに。
貴方の事を想うので胸いっぱいだよ。
なんて、柄じゃない事を言いそうになる。
誰もこの気持ちに気づかない。
気付いてほしいとは思ってないけど、何だか虚しい。
恋って、こんなものなの?
隣にどかっと座るゾロ。
ああもう、何で隣に座るの?
胸のどきどきが半端ないよ。


「ん、あー…。こんなあったかい日は、眠くなるな」
「……そだね」


当の本人は私の心臓の状態なんか知らずにこんな事を言ってる。
少しは私の緊張感、伝わらないかな。
………好き。
大好き。大好きだってば。
愛してるよ………。

どうして伝わらないの?


「なぁ、」
「…っな、何……?」
「そういえばよ、お前………」


ゾロが私をちらっと見て、何かを言おうとする。
私もゾロをの方を見る。
自然と、目が合った。
そして次の瞬間、私は絶句した。



「お前、俺の事好きだろ」





この瞬間から恋人へ、
(俺も、お前のことが……って、居ねェ)(…なんで!?なんでなんで知ってるのよ!!)(気付いてないとでも思ってたのかしら)(ずっとゾロの事見てたくせにね)