「国光……っ、ドイツから帰ってきたんだね!」
「ああ。今朝な。……元気そうで何よりだ。わざわざ部室にまで来てくれたんだな」
「だって本当に……本当に、久しぶりなんだから……国光に、遅いって文句を言おうと思ってきただけよ……国光の馬鹿」
「相変わらずの憎まれ口だな。寂しかったのならそう言えばいいものを」
「(あ…頭を撫でてきた!?あの国光が!?)……べ、別に寂しくなんか……ただ調子が狂ってただけだし……」
「そうか。俺は寂しかったぞ。こんなにもお前と離れていたのは初めてだからな」
「(こ、今度は抱きしめられた……!?い、一体どうしちゃったの!?)国光……ちょっ、どうしたの……!」
「俺は別にどうもしていない。お前を抱きしめたかったから、そうしているだけだ」
「(頭を撫でられるのも抱きしめられるのも初めてなんだけど……)」
「どうした?顔が赤いぞ。心なしか、体温の上昇も感じる」
「(ストレートに物を言いすぎてる!まるで外国人みたい!こんなの国光じゃない!凄いコレジャナイ感!なんか、チガウ!)国光のあほーーー!外国かぶれ!!」

「……走り去ってしまったか……。少し、からかい過ぎたか。ドイツでは学ぶことが多かったからな……色々と」



手塚国光はドイツ帰り
(俺にも恥というものは多少あったが、試してみた甲斐はあった。……戸惑うあいつは意外と可愛かったし、な)