明日は私の誕生日。
大好きな人、ゆっきーからプレゼントを貰うために、機嫌取りだー!


「ゆっきー」
「何だい?桜花」
「今日はね、ゆっきーの為に、クッキー焼いてきたのっ」
「本当?それは嬉しいな。ありがとう」
「はい、これ!」


とびきりのスマイルとともに、生まれて初めて作ったクッキーを出した。


「わぁ、綺麗なラッピングだね」
「でしょ〜?ゆっきーの為に頑張ってやったの!」


綺麗な微笑でプレゼントを受け取るゆっきー。
あぁ……その姿がかっこいい……!
ラッピングを丁寧に解くゆっきー。
あぁ……その姿も決まってるよ。


「………」


あれ?
何だか急にゆっきーの顔から笑顔がなくなった……。
でも、その顔も凛々しi「ねぇ、桜花」


目はクッキーに向けたまま、私に声を掛けてきた。


「なぁに?ゆっきー」
「これって……何?」


もう、ゆっきーったら私をからかってるのかな?


「何って、クッk……」


言いかけた私の目の前に、ゆっきーの手が。
その手には、何やら真っ黒なものが握られ……


これがクッキー?


私の解説も聞かずにゆっきーは黒い微笑みで聞いてきた。


「あ、あはは……」


その言葉に私は苦笑いを返すしかなかった。
だ、だって、生まれて初めての料理なんだもん!


「で、でもっ、愛は詰まってるよ!」


笑顔で言ってみた。
でも、ゆっきーは変わらぬ表情で


その愛で俺のお腹を壊す気?


不味い事前提!?


「だ、だって……私、明日誕生日だから、その……」
「俺の機嫌取りってわけね」


ち、違………………わないけど!
どんどん黒さが増していくのは気のせい?


「うわーん!ごめんよー、ゆっきー!」


ゆっきーからクッキーを奪い、謝った。


「……もういいよ。分かった。桜花の誕生日プレゼント、決めたから」
「……本当?」
「うん、とっておきのにしてあげる」
「わーい!やったー!ありがとーゆっきー!」


最後には普通の素敵な微笑みに戻ったゆっきー。
やっぱり、大好きだぁっ!

そして次の日。


「はい、誕生日プレゼント」
「わー!ありがとー!ゆっきー愛してるー!!」


何やら薄くて縦長なプレゼントをの箱を開けてみた。
中に入っていたのは………………初心者向け料理本。


「……!?」
「ふふふ、これで料理、上手くなってね?」


目の前には、黒い笑顔……。
うわーん!ごめんなさい!


「これで、桜花が料理上手になったら、結婚してあげてもいいよ」
「……え?」
「俺に、美味しい料理作ってね」
「…う、うん!ゆっきー大好きー!」


やっぱゆっきーは大好きだぁー!
頑張って料理練習して、ゆっきーのお嫁さんになるぞー!





あなたからのプレゼント
(ゆっきーは私の事を思ってくれていたんだね!)(うん、そして俺たちの将来のこともね)