「運命って、信じる?」
「……は?いきなり何言ってるんだよ」


クラスメイトで、隣の席の日吉に聞いてみた。


「……いや、よくあるじゃん?映画とかで…『これは運命だハニー!』とか……」
「(ハニー?)……なんだ、映画の話か?」
「んー、違う!日吉はさ、その運命≠チて信じる?」
「……信じないな」
「へぇ……どうして?」


一拍置いて、日吉は答えた。
少し予想はしていた答え。
でも、理由は何?


「…運命…つまり、決められてるってことだろ?」
「うん」
「……俺は、その運命≠フままにはなりたくないな」
「……どういうこと?」
「だから、決められた道をただ歩いてるだけは嫌なんだ。自分の事は自分で決めた道を進む」
「……あぁ、そういう事」
「…お前は運命を信じるのか?」
「ん……まぁね」
「……ふん、平凡な奴だな」
「いーのっ!私には運命だ!って思えることが一つだけあるもん」
「へぇ、何だよ」
「教えない」
「……はあ?」
「だってさ、人に話しちゃったら運命変わっちゃうかもしれないじゃんー」
「…そんな簡単に変わるような運命なのかよ」
「ん、私にとってはね」
「……?」


日吉は、最後まで訳のわからなさそうな顔をしてた。

だって、その運命≠チてのはね…





貴方との出逢いなんだよ。





私は、言葉じゃ言い表せないくらい貴方が好き。


「……まぁ、その運命ってのを信じてるなら別にいいけどな」


貴方が運命と思ってないのなら
私が運命だと思わせるまで。


「ふふ、いつか日吉にも教えてあげるよ」
「……その運命の通りになるかどうか知らないけどな」
「絶対にこれは運命なの!」
「ふっ、ま、楽しみにしてるぜ」


私は貴方との出逢いを運命だと思ってます。
そして、運命の出逢いだと貴方に言わせます。

私が貴方を想う気持ちは、運命だって変えられるよ?


私は……



全ての運命≠ヘ、揺ぎ無い想い≠ゥら成り立ってると思ってるから――





私は運命を信じます
(それは、自らが創り出すものだから)