跡部side



「何や未永ちゃん、えらい叫んでたで?」
「大声で『あほべぇ〜!』って言ってたCー」


ジロー……笑ってんじゃねぇよ。


「何かしたのかよ?」
「あぁ?ただ夕食作るように言っただけだ」
「何やて!?未永の手作りやと!?」


忍足……はしゃいでんのがいつもながら気持ち悪いぜ。


「……あと1時間で夕食だぜ?」
「宍戸さん、未永先輩なら平気ですよ」


おい鳳。未永を何だと思ってんだ?
何を根拠に言っているか気になるところだが……。


「……それもそうだな」


宍戸、お前も納得すんなよ。


「何作るのかな〜」
「得体の知れないものじゃなければいいんですが」


日吉は何気に酷いな。


「あぁ?お前ら知らねぇのか?未永は家庭科だけは5だぜ」
「「「まじで!?」」」
「あぁ。家庭科だけな」


そんなにそこを強調するもんなのか?


「何や楽しみんなってきたなぁ……なぁ、見にいこうや」
「俺も行きたいCー」
「味見ついでに……な、行こうぜ、跡部」


ふん、面白そうじゃねぇか。


「よし、行くか」


そうして着いた調理室……。
だが、


「ふぇ……ふえぇ〜」


何故泣き声が聞こえてくる……?


「未永っ!?」


そうして忍足がドアを開けると、案の定、未永が泣いていた。





未永side



「未永っ!?」
「うぁ〜みんなぁ……どしたのぉ〜あ゙〜ん゙?」
「泣きながら俺様の真似してんじゃねぇよ」


……よく分かったね。
さすがあちょべ!


「ってそれより何で泣いてんだ!?」
「うぅ〜がっぐん、この状況を見れば分かるでしょ〜?」


私は今、玉ねぎを切っているのよ!


「あーなるミソ」


え?なるミソ?なるミソって何!?
そんなにがっくんってミソ好きだったっけ?


「それより未永先輩、家庭科だけは5って、本当ですか?」


ようやく玉ねぎも切り終わったから、涙を拭いて手では作業しながら、皆と喋る事にした。


「そーだよー。家庭科だけはね」
「(こいつもそこを強調してやがる……)」
「なんや、家庭的やなぁ……いつでもお嫁さんに貰ったるで」
「侑士は変態だから嫌だ」
「つれへんなぁ。そこも可愛えで」


あらら?いつもならヘコむのに……くそ、Mっ気が増したな!


「それより、カレーのいい匂いがしてきましたね」
「あぁ、未永の作るカレー。楽しみだぜ!」
「ふふ、期待しててね!」
「未永先輩!ご飯が炊けたです!」
「よし、それじゃあ盛り付けるかぁ!じゃ皆は席についててー」
「「「おう」」」


丁度皆が席に着いた時に他の人達も来た。まずは青学!


「おぉ〜、今日はカレーッスか?」
「そだよー」
「今日はカレーの確率「「100%だった」」


と、立海だった。賑やかになりそう……キャラも濃いし。
貞っちと蓮ちゃんは声を揃えて、仲良さそうだね。


「いい匂いッスねぇ〜!」
「ほんとだぜぃ」
「二人はカレー好き?」
「「食える物なら何でも好き(ッス/だぜぃ)」」


ちょっと失礼な気もするけど……。
二人なら許しちゃう!


「……この匂いなら、食べれそうッスね」


来た来た!この生意気発言は!


「リョマ〜!そんなこと言わずに素直に褒めてよ〜」
「まだ食べてないし」
「んじゃ〜食べたら褒めて?」
「嫌ッス」
「酷っ!」


うーん……素直じゃないな〜。


「……嘘ッスよ」


リョマは生意気そうにだけど笑ってくれた!なにそれめっさ可愛い!
いつの間にかこんな技を習得していたのね!


「リョマ〜大好きぃ〜!」
「ちょっ、苦し……」
「あぁ〜!おチビだけずるいにゃ〜!」
「うぇ!」


英二が横から飛び乗ってきた!うぅ、流石に重い……。


「未永、英二…「「離そうね?」」
「「はい」」


魔王様が二人揃うとめっちゃ怖い……。
息もぴったりだったし、実は仲いいんじゃ……。


「あれ?不二、居たんだ?(訳:未永に話しかけるなよ)」
「うん、君たちより早く来たしね(訳:君こそ馴れ馴れしいよ)」


うん……そんなことは無いね。皆無だね。
二人のバトルを止められる人はいないし、ここはそっとしておこう。


「俺は未永が食いたいのう」
「いきなり抱きつくな!」


てかなんつー発言してんのよ!
ほんと、侑士に負けないくらいの変態だわ!


「それより、ブンちゃんや桃ちん達を見習って早く席に着く!折角私と太ちゃんが作ったんだから」


そう言って青学&立海を席に座らせた。
さて、次はどこが来るかな?


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