「聖ルンルンには癒しがいて良かった!」
「……(また名前戻ってるし)そうですか」
「でもピヨも好きだからね!」
「……はいはい」


私が腕を絡ませるとピヨは諦めたようでそのままで居てくれた!
やっぱり私の愛が伝わったのね!


「で、次はどこ行くんですか?」
「次はー………三角……?」
「……知りませんが、六角だと思います」
「そうそうそれ!確か千葉なんだよね〜……ってことでレッツゴー!」
「何が、『ってことで』かは知りませんが行きましょう」


電車の中ではピヨの隣に座った。
ガタンガタンと隣で揺れるキノコが可愛くてもう萌え死にしそうだったよ!
それに気づいたピヨからは殺意を向けられたけどね!


「何呆けた顔してるんですか?着きましたよ」
「おお〜ここが六角か!あ!海だ〜!」
「ちょっ、未永先輩!そんなにはしゃいでると転び「ぎゃあっ!」……ほら」
「ぶぷ……うぇ〜……顔とか服とか砂まみれだぁ〜……」
「そんなに走るからですよ」


呆れつつもピヨが私に手を差し伸べてくれた。


「!ピヨが王子様に見える〜!」
「……だからって砂まみれで抱きつかないでください」
「あはは〜ピヨも砂まみれ〜」
「………はぁ(何故こんなに能天気なんですか)」
「よし!砂をはらうついでにテニスコートまで突進!」
「(何故そうなるんですか)」


不満そうな顔も可愛いよ!
ピヨとテニスコートまで走った。勘だけど。


「たのもぉぉぉ!!」
「「「(道場破り!?)」」」


私が大声で突進すると、テニスコートにいた人達の視線がいっきに集まった。


「ねぇ!そこの人達!ここはテニスコートかな!?」
「「「どう見てもそうだろ」」」
「わお!ここはツッコんでくれる人がいっぱいだね!」


ってピヨもツッコんでくれたんだ!


「ちわッス!私は氷帝3年マネの中原未永ちゃんだよ!合宿の挨拶に来ちゃいました〜」
「ああ、明日の合宿のか。僕は3年の佐伯虎次郎。よろしくね、未永ちゃん」


爽やかくんだ!
よし!サエっちと命名!


「僕は葵剣太郎です!1年生ですが部長やってます!」
「っひゃー!1年で部長!?凄いねー!」


ウチの何様俺様跡部様とは大違いだ!
それに、なんか山吹の太ちゃんに似てるなぁ、剣ちゃんは。


「俺は2年天根ヒカル……ことダビデ」


ん?何でダビデなんだろう……?
あぁ、髪型か……!
だったら、ピヨも……アレだよね!


「俺は黒羽春風。ちなみに、俺達はD2でサエと合宿には来れないが、いっちゃんがD1だ」
「D1……ダブルスワン」
「つまらねぇんだよ!ダビデ!」


バゴッ!


「な、何事っ!?(ダブルスワンってバレエ!?)」
「ああ、俺はダビデの寒いギャグの突っ込みもしているんだ」


ツッコミじゃなくて突っ込み!?
随分と物理的だなぁ。


「酷いなぁ、バネさん。……面白いのに」
「……で、サエっちはダブルスワ「しないよ」……だよね!」


サエっち……黒が見えないのに間髪入れずに言うなんて……。
きっと素質はあるんだろうな、気付きたくないのに気付けるようになっちゃったよ。


「あ、もう青学には行ったのかな?」
「うん、昨日行ってきたよ!」
「不二には会ったかい?」
「!?……会いました。会いましたとも」


もう、あの人の存在は忘れられないよね……。


「俺、不二とは幼馴染なんだ」


だからか!?
だから魔王様の影響で、黒ではないのに発言のオーラが凄いんだ……。
黒って移るのかな。


「あは、は……そうなんだぁ」
「未永先輩、そろそろ行かないと、跡部さんから電話掛かってくるかもしれませんよ」
「それは困る。あの着ボイスは目立っちゃうから」
「……だったら違うのにすればいいじゃないですか」
「あほべの命令だから別のに出来ないんだよな〜」
「……(何やってるんだ、あの人は)」
「あ、ちなみに面白いから全ての人のを着ボイスにしてるけどね」
「……(未永先輩も何してるんだ)」
「ピヨのもあるよ!聞きた「遠慮しときます」……なぁんだ」


結構レアなのになぁ……。


「(……撮られた覚えはないんですが)」


一体いつの間に。
普通なら日吉は疑問に思うが、未永は普通じゃないと考え、問うことは止めた。


「よし。そいじゃ、次の所でも行こっかぁ!」
「合宿、楽しみにしてるよ」
「イエス!そんじゃ、まったね〜!」


私はピヨの腕を掴み六角を去った。





「……面白い子だよね」
「あぁ、元気な奴だったな」
「素敵な人でした!合宿が楽しみです!」
「……ステッキな人……」
「うるせぇ!」


ドゴッ!


「ぐはっ、……面白いのに」
「不二には負けられないな」
「僕も未永さんに振り向いて欲しいです!」
「うん、お互い頑張ろう」


六角は未永のおかげで友情が深まった!流石仲良し!


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