嬉しいよ。
たくさん、話をしてくれて。

でも、
おかしい、と思うのは
私だけ―――?





少し、気が楽になった。
日吉くんと向日くんが来てくれて。
……あの、日吉くんの決意が込められたような目で。

「未玖先輩の味方ですから」

そう一言言われるだけで、凄く気持ちが伝わってきた。
本当に、嬉しかった。
向日くんたちの学校での事。
とても、面白い話ばかりだった。
主に、向日くんが話してたけど……。
日吉くんは、口下手なのかな?


「未玖、お見舞いに来たよ」


考えていると、立海の皆が来てくれた。


「皆……」
「お、今日は元気そうじゃん」
「今日は大丈夫だったんスね!」
「うん。日吉くんと向日くんだったんだけどね、励ましてもらっちゃった」


毎回皆には心配かけちゃってるからね。
今日くらいは、ポジティブになろう。


「ほう。それは良かったな」
「ふふ。向日が居たから心配してたけど……」
「日吉のおかげじゃな」
「そんなことないよ?向日くんも、楽しい話してくれたし……」
「まぁ、未玖が楽しかったなら何よりだ」


皆が優しく微笑んでくれた。


「どんな話を聞いたの?」
「えっとね、学校の話」
「ふうん……。良かったね」
「うん」


その後、立海の皆ともたくさん話をした。
部活のことから、学校のことまで。
私たちの、小さい頃の話もした。


でも、どうしてだろう。
誰一人として、教えてくれなかった。
私の中学での事。
立海の皆も、氷帝の皆も。
聞き出そうとは思わない。
いや、まだ聞けない。
聞けないけど、知りたい。
どうして教えてくれないの?

疑問は、深まるばかり。


何日か経ったけど、
一度も、その疑問は口にしなかった。