すぐに助けに行く……。

お前に何かあったら、俺はっ―――




―――





愛美side




咲乱……。
今頃、何を考えてる?
再び独りになった寂しさ?
暗闇での恐怖?
……もう、意識がなかったりする?

忠告したでしょ?
私の駒の動きを見てなさい、って。

……分かった?
本当に、あんたなんか必要ないってこと―――

暗闇の中で。
狂わすほど、思い知りなさい……?





跡部side



「………遅ぇ」


午前の練習もとっくに終わり、今は1時。
氷帝、立海、越前が部屋で集まってる中、まだ、咲乱が現れねぇ。


「…どうしたんでしょう、咲乱先輩」
「…いくらなんでも、遅ぇよな」


鳳と宍戸の言葉に、皆が頷く。
集まれ、と言い出したのは咲乱だ。
あいつが…遅れるとは思えねぇ。


「………」


皆が不審に思ってる中、一人だけ考え込んでる奴が居た。


「……何を考えてやがる。越前」


指摘された越前は、ゆっくりと顔をあげる。


「……もしかしたら、先輩が……」


小声で、呟き始めた。


「…あん?何だって……?」
「もしかしたら……菊丸先輩と、桃先輩が……」





越前の言葉を聞いた俺たちは、走ってた。


「菊丸先輩と、桃先輩の…様子がおかしかったッス…」


まさか、青学の連中が……。
咲乱を……。


「おいっ、青学っ!!」


俺たちは、青学の部屋に乱入した。
青学は、全員真剣な顔をして俺たちを見た。
……藤堂は居ないがな。


「…何だ、跡部。いきなりドアを開けるとは感心しないな」
「……お前ら、咲乱をどこにやった」


言った瞬間、菊丸と桃城の表情が強張ったのが分かった。


「……おい、菊丸、桃城。咲乱をどこにやった」
「……何の事?」
「そんなの、知らないッスよ…」
「とぼけんなっ!てめぇらしかいねぇんだよ!」
「……宍戸、大きな声を出すのは止めてくれる?」
「不二先輩っ…教えて下さい……っ」


越前が、前に出て言った。
それを、不二は一瞥して、


「……裏切り者は、黙っててくれない?」

「……っ!」
「っ…不二、お前……」


不二の野郎……。
完全に越前を切り離してやがる…。


「……っ、桃先輩…」
「っ……」


桃城も、越前から眼を逸らしやがった。


「……跡部、ここは俺たちが話をつけておく」


幸村が、静かに言った。


「っ、だが…」
「跡部は、咲乱を助けてあげて…?」
「っ、」


そうだ、咲乱が危ねぇ……。


「…っ、跡部…早よ行くで…っ」
「…あ、ああ」


越前と立海はその場に残り、氷帝で咲乱を探す事にした。

咲乱っ……。
今、行くからな…っ!
お前は、必ず俺が助ける……。

待ってろよ――――!


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