この気持ちを、君は何て言う?
……嬉しく、思ってくれないのは承知してるよ。

それでも……愛してる―――





「……咲乱、僕は、今でも君を愛してるんだ……」


そう告げる貴方の顔は、いつもの余裕のある笑みではなくて。


「いつでも、僕の心には君が居た……」


真剣に、囁いてくれる。


「……、周助……」


それでも、私の気持ちは―――


「ごめんなさい……」


もう、そっちへはいけない。


「っ咲乱……」
「…私、もうだめなの……。純粋に、貴方を……想えない……っ」


気持ちはもう分かった。
どうしてあんな態度になったのかも。
でも、無理なの。


「っ、怖いの……」


いくら気持ちが通じた所で、恐怖が無くなったわけじゃない。
まだ、鮮明に残ってるんだ。


「……そう」


周助は、とても悲しそうな顔をして。



「じゃあ―――――――――、一緒に死のう?」



「っ!!」


周助が私の手を掴み、フェンスへ手をかける。


「っ待て!!」


しかし、すぐに氷帝や立海が駆けつけてその行為は中断される。


「っ離して!僕だって、限界なんだ!」
「だからって咲乱を巻き込むんじゃねぇっ!」


周助を押さえているのは宍戸。
私を周助から離してくれたのは跡部。


「大丈夫か、咲乱…」
「……平気…」


私は、それよりも周助が心配だった。
あの人の気持ちに答えられないのは……本当に悪いと思う。
自分の感情を殺してまで、私を守ろうとしてくれたのに……。


「……あいつだって、咲乱を傷つけたには変わりねぇ……」


跡部が呟いた。


「………不二…お前、それほどに……」
「…どうして、打ち明けてくれなかったんだよ…」
「……僕は、皆に言う気なんて全く無かった。咲乱の敵は、僕の敵でもあるから……」


押さえつけられてる周助は、青学一人一人を睨んだ。


「……不二先輩…」


中から、リョーマが周助に近づいた。


「……越前…。…僕は心底、君が羨ましかったよ」
「………」
「…何にも捕らわれずに、咲乱を守ることが……近くに居ることが出来て……」


不二は、目を細く開いてリョーマを見た。
それにリョーマは何も返さなかった。


「……愛美、今の話は……全部本当なの……?」


沈黙から、今度は愛美の話へと移る。


「……ええ、そうよ」


猫を被ってない、本当の愛美が返事をする。


「……どうして、こんな事……」


大石が静かに問う。
それに、愛美は笑って、


「どうして?そんなの、今更聞いて何になるの?」


見下すように青学に言葉を放った。


「愛美を狂わせたのは愛美自身でもあり、皆の所為でもあるのよ?」


腕を組み言う。
全員は、愛美の態度の変化についていけてない。
特に、青学は。


「……どうしても聞きたいって言うのなら、話してあげてもいいわ」


愛美がこんな事を始めようとした理由……。


「私は、小さい頃から皆の中心に居て、愛されて……。中心に居ていいのは愛美だけだって思ってた」
「………」
「勿論、中学に上がってからも、愛美の周りには友達でたくさん……。愛美は、それが大好きだった」


瞬間、私を睨んだ。


「あんたたちに会うまでは―――」


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