「そんじゃ、また後でな」
「あー、麻燐と一緒に入りたいCーっ」
「まぁまぁ芥川、また会えるだろ」
「むう……ま、それもそうだけど」


我儘を言う芥川を丸井が引っ張ってお風呂に連れて行きました。
麻燐はその様子を見て笑顔で手を振りました。


「麻燐ちゃん、一人で大丈夫?」
「大丈夫だよ、秀ちゃん。麻燐、昨日も一人で入ったもん!」
「そっか、偉いね。じゃあまた後でね」
「うん!」


大石と河村が交互に話しかけました。
というか、もう中学生なんですから一人で入れるのは当たり前です。


「麻燐……じゃあ、な」
「うん!って、どーしたの?桃ちゃん。元気ないよ?」
「あー……そんなことねーよ」
「そーう?ならほらっ、笑って!」


見本を見せるかのように麻燐は笑いました。


「……そうだな。よーっし、麻燐、後でなっ!」
「うん!」


麻燐の言葉で元気になった桃城。
やっぱり麻燐ちゃんは良い子ですね!





「あーもー疲れたっ」


少し経って、丸井たちが出て来ました。
何故か疲れている様子。


「びっくりしたよ。まさかお風呂の中で芥川が寝ちゃうなんて」


河村が本当に焦ってたような様子で呟きました。
氷帝のメンバーにとっては慣れたことでしょうが、今日は他校ばかりですからね。


「だってー、気持ち良かったんだもん」
「だからって、寝るなよ。起こすこっちの身にもなれっての」
「あはは〜、今度から気をつけるC〜」
「あれ?麻燐ちゃんはまだみたいだね」
「そうッスね」


麻燐がまだ居ないことから、皆は少し待つことにしました。
数分後。


「皆ぁ〜ごめんっ!遅くなっちゃったぁ」
「別にいいぜぃ。女は髪とか、洗うのが大変そうだからなっ」
「うん。それにね、今日は泡まみれになっちゃったから頑張って洗ったの!」
「麻燐の肌つるつるだC〜」


芥川が抱きついて頬擦りしました。


「あっ芥川さん!」


それを桃城が引き剥がしました。


「なんだよーっ!後輩の癖に生意気ーっ!」
「後輩でも、こういうことはやっていいッスよね」
「む……うるさいぞ、ピーチキャッスル!」
「もうその手は通用しませんよ!」


まるで子供のような喧嘩です。
でも、桃城は『ピーチキャッスル』を克服したようです。
元より、悪口でもなんでもないですしね。


「……ほんと、生意気な後輩が多いC〜」


嫌味っぽく言ってますが本当に怒っているわけではなさそうですね。
日吉や鳳、樺地とはまた違ったタイプの後輩で、楽しんでいたのかもしれません。


「ってか、麻燐のパジャマ可愛いじゃん」
「えへへー。この柄、麻燐大好きなのっ」


今回のパジャマは白地にピンクの水玉です。
麻燐のイメージに合ってますね。


「麻燐超似合ってるC!かっわEー!」
「ジロ先輩も羊柄可愛いっ」


やはりジローは羊ですか。
まぁ、似合うからいいですけどね。
その後は全員で部屋に戻りました。