「麻燐麻燐っ!一緒に部屋まで行こうー?」
「あ、ジロ先輩!いいよー」


本日は同室になる芥川が真っ先に麻燐に話しかけました。


「あぁっ!芥川さんだけずるいッスよ!俺も行くッス!」
「あはは、いいC〜。いいけど、どさくさに紛れて麻燐に触らないでね」
「……わ、わかってますって」


芥川の黒さに桃城は笑顔の中に冷や汗が浮かびました。


「ちょっと待てよ、芥川。俺も麻燐と行きたいっつの」
「あ、丸井くんだC〜!いいよ〜」


芥川は笑顔で出迎えて、麻燐と丸井を連れて部屋に向かいました。


「……大石先輩、タカさん……俺、今日の夜無事に過ごせるか心配ッス」
「はは……大丈夫だよ。ほら、部屋に向かうぞ」
「あまり考えない方がいいよ……」
「ッス……」


青学の3人も後から追って部屋に行きました。





「きゃっほー!昨日の部屋とおんなじだー!」


麻燐は着いて早々、ベッドに飛び込みました。


「おいおい、そう暴れんなよ」
「麻燐、一緒に寝ようー?」
「いいよー」
「ちょっと待て。ベッドはちゃんと6つあるんだから別々で寝ようぜ」


丸井が二人を止めました。


「A〜、そんなのつまんないCーっ!」
「麻燐皆と寝たい〜」
「だーめ」


頼み込む二人を厳しい目で見る丸井。
さて、何故でしょうか。


「(幸村に頼まれてんだよなぁ。芥川と一緒に寝させんなって。その約束破るの怖ぇし)」


どうやら脅……(どうして脅しって決め付けるのかな?by幸村
ナ、ナレーターに話しかけるの禁止っ!!


「ぶー……まぁ、丸井くんが言うから仕方ないっか」
「ん……そっかぁ」


二人とも、丸井には甘いみたいです。
特に芥川にとって丸井は憧れですからね、幸村もそれを分かって丸井に頼んだのでしょう。


「あれ?今何の話をしてたんだい?」


ここで遅れてきた青学3人の登場です。


「おー、これからベッドの位置でも決めようかって」
「ちなみに、俺は麻燐の隣ー」
「まだ決まってねえだろ」


ここは公平にジャンケンで、と提案する丸井。


「そうッスね、ジャンケンなら運だし、芥川さんが隣ってことは決まらないッスね!」
「あはは〜。ピーチキャッスルはちょっと黙っててくれる〜?」
「ピーチキャッスル!?」


桃城はダメージを受けました。
無害な後輩を虐めるのはやめていただきたいですね。


「ま、まぁまぁ……ほら、ジャンケンするんだろ?」


大石が間に入って二人を宥めました。


「そ、それじゃあ、最初はグー…」
「「「ジャンケンポン!!」」」


さて、運命の分かれ道。
結果はどうでしょうか。


「っしゃあ!やっぱ天才的ぃー」
「ほらー、やっぱり俺だCー!」


どうやら、勝者は二人と丁度決まったみたいです。


「っな……」


桃城は自分の手を見ました。


「へっへーん、やっぱり愛の大きさの勝敗かな?」


小悪魔のような笑みを浮かべた芥川が異様に大きく感じる桃城。


「あぁあ……」


かなりへこんだようです。


「……大石、桃ってこんなに精神的にダメージ受けるような奴だっけ」
「きっと、最近の環境に慣れてないんだよ」


本来ならば桃城のメンタルは強いですからね。
後輩を心配する優しい先輩たち。でも負け。


「よーし、綺麗さっぱり決まったところだし、風呂でも入ろうぜ」
「さんせー!」
「麻燐も行く!」


勝ち組&麻燐は仲良くお風呂の準備。


「桃、そう落ち込んでもしょうがないぞ」
「ほら、風呂に入ってすっきりしよう?」
「……そ、そうッスね。よーし、まだ夜は始まったばっかッスからね!」


結構単純な桃城。
大石と河村も扱い方をよく知っています。


「ほら、早くしないと置いてくよー。特に、ピーチキャッスル」
「ピーチキャッスルじゃないッスからっ!」


そんなにそう呼ばれるのが嫌なんでしょうか……。
それにしても芥川は本当に、人の弱味をつくのは得意みたいですね。

温厚な人が多いのに、何故こんなにも心配になるんでしょうか……。


×