「……あ、もうこんな時間だ」


今は丁度12時を過ぎた頃。
そろそろ昼食です。


「皆を呼んでこなきゃ……」


そう思い、部屋から出ました。


「………あ」


テニスコートを見渡すと、皆真剣に練習をしています。


「またコート回るの大変だなぁ……」


ドリンク渡しで疲れてしまった麻燐。
うーん、と考えてます。


「麻燐ちゃん」
「ん?……あっ!」


背後から声をかけられた麻燐、何かを思いついたのか声を上げました。





「跡部〜〜疲れた〜〜っ」
「俺も〜!腹減った〜〜」
「……うるせーな」


子供のような芥川と向日の態度に、呆れ顔で呟く跡部。


「でも、そろそろ昼食だぜ」
「せやな、もう12時過ぎとる」
「……もうそんな時間か。なら、食堂に……『ぴんぽんぱんぽーん↑』


途端、跡部の言葉を何かが遮りました。


「……今の声って」
「……ああ」

『皆〜、そろそろお昼ご飯だよ〜っ。食堂に集合〜』

「……麻燐ですね」
「そうだね」

『ぴんぽんぱんぽーん↓』


放送の音まで麻燐が出してます。


「……一体何してんだ、麻燐は……」
「とりあえず、食堂行こーよー!麻燐が居るかもしれないC〜」


芥川の言葉で、全員が食堂に向かいました。





「皆っ!はろー!」
「遅かったな」
「「「何で榊監督が居るんですか」」」


麻燐だけが居ると思いきや、堂々と榊も待っていました。


「む。いや、先程麻燐ちゃんに会ってな。皆に昼食ということを知らせたいから放送させてくれ、と頼まれたんだ」
「前に太郎ちゃん、放送してたでしょ?だからやり方教えてもらったの!」
「……そうか」


皆さん納得。


「私に頼みに来てくれた麻燐の目はもう輝きに満ちていて……「用が済んだのなら帰ってください」………」


必要以上に話すなオーラが跡部の周りに充満してます。
相変わらず、麻燐にとって危険な存在には冷たいです。


「遅れてすまない」
「少し長引いてしまったか?」


丁度、青学と立海がやってきました。


「あ、ううん!皆で昼食食べよ〜」


麻燐ちゃんは机に座りました。


「じゃあ俺、麻燐の隣ー」
「あぁっ!ずるいッス!俺もー!」
「ちょお待ち!普通学校別やろ!
「そんなことはどーでもいいだろぃ」
「早い者勝ちッス」
「「「!?」」」


すっかり麻燐の周りの席は塞がれてしまいました。


「?皆で仲良く食べよーっ」
「「「(人の気も知らないで……。でも、可愛いっ…)」」」


氷帝の皆さんは複雑な気持ち。
夕食は頑張ってください。


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