皆が席の取り合いをしている中、


「かっかっか!青春してんな〜!」


運転手さん、楽しそうに見ていました。大人の余裕ですね。
で、結局バスの席順は……


       前

宍戸 鳳  向日 日吉 忍足
麻燐 芥川    跡部 樺地

       後


「ちょっ、何で俺が麻燐から一番遠いんや!?」
「麻燐の安全の為です」
「ちょお日吉!お前いつからそんな事を言うように!?」
「忍足さん、うるさいですよ」


鳳の不機嫌そうな笑みによって一瞬で静かになりました。
麻燐の隣をライバル?の芥川に取られてしまいましたからね。


「俺なんて補助席だぜ?」
「ま、お前には充分だろ」
「〜っ、くそくそ宍戸!」


向日、そう言いながらもちゃっかり座ってます。


「麻燐〜、俺眠いC〜…」


芥川はさっそく麻燐の隣なのを良い事に、いっきに麻燐の膝に頭を乗せました。
あなたさっきまで元気に麻燐の隣を勝ち取れなかった人たちを煽っていたじゃないですか。


「「「(ジロー(先輩)め……っ)」」」


皆の嫉妬や羨ましそうな視線に気付いていない麻燐ちゃんは、


「あはは、ジロ先輩、子供みたい〜」
「麻燐〜、膝枕して〜?」
「ん、いいよぉー」


芥川、麻燐の膝枕GET!


「「「(何て得なキャラだ!)」」」


芥川だから許されるのです…。
皆さん羨ましいと思いつつも、いざ自分が同じことをできるかといえばできないことが分かっています。
だから余計に嫉妬してしまいますよね。
そして、皆の視線がチラチラと麻燐の元に送られては、


「ん、…ふぁ……」


朝からハイテンションだった為か、今眠くなってきた麻燐の眠そうな顔を見て、


「麻燐の寝顔萌えや〜っ」


背もたれから身を乗り出しながら満足そうに眺める忍足。


「忍足さん、邪魔です」
「酷っ!いややわ、ぴよ冷たいっ!」
「窓から落としますよ?」
「じょ、冗談やん!いつからそないな冗談の効かん子に……」


隣の日吉にとってはそんな忍足は非常に鬱陶しいようで。
ぴよと呼ばれたことも相まって絶対零度の視線を忍足に向けました。
まさかの反撃に忍足は座席の上で体操座りしてます。


「……向日さん」
「ん?何だよ」
「席変わって下さい」
「いや、遠慮するぜ」


ダブルスパートナーの向日も真顔で即答です。
麻燐が絡んだ時の忍足の相手は誰もしたくないようです。
それも仕方のないことなのでしょうか。


「おい、もうすぐ着く。静かにしてろ」


それも、跡部の一言で静かになりました。
流石、部長ですね!

後は到着を待つだけです。