「たっだいまー!」
「おかえり、麻燐〜」


芥川、一目散に麻燐ちゃんに飛びつきました。


「「………」」
「ご苦労だったな」
「あは、楽しかったぁ」
「……宍戸、日吉、負のオーラが出とるで」


満足そうな麻燐と相対して、元気のない二人を見て忍足は声をかける。


「なんだか、やつれてるぜ?」
「……あぁ」
「……いろいろと」


向日にも心配をされるが、なんともいえない表情の二人。
まぁ、色々衝撃的でしたもんね。


「それで、どうやったんや?麻燐ちゃん」
「何が楽しかったの?」


忍足と鳳が揃って麻燐に感想を聞きます。
同時に発言したからか、鳳が一瞬嫌そうな顔をしたのはさすがに忍足が可哀想だと思います。


「うんとね、たけのこの里あげてね、くるくるだったぁ」
「そうか、良かったな。それで一体何があった、宍戸、日吉」


跡部、麻燐ちゃんの頭を撫でて一言言うも、聞くのを断念。


「……それがよ、」


宍戸は跡部たちに今日の事を伝えた。
ところどころ、細かい部分は日吉が説明した。


「何!?手塚が天然キャラだと!?」


跡部、突っ込むところが違います。


「その衝撃であの不二さんも開眼したんですか!?」


鳳、そこも違います。


「クソクソ菊丸!」


向日、そこ関係ないです。


「あの仁王が幼馴染やてぇ!?」


忍足、まとも過ぎて関西人としてどうかと思います。


「A〜!ほっぺにちゅうしちゃったの?」
「まーくんと会うの、久しぶりなんだぁ」
「「「……仁王め」」」


皆、仁王に嫉妬してます。
強敵現る、ですね。


「やるねー」


男の嫉妬は怖いです。傍から見ていた滝は面白そうに呟きました。


「もっと合宿が楽しみになっちゃった!早くお家に帰って準備しなきゃ!」


そう言って、麻燐は荷物を片つけ始めます。


「跡部ぇ、車はぁ?」
「俺様の車を使う気か」


芥川の甘えるような言葉に騙されることなくつっこむ跡部。


「それ以外ないC〜!まぁ、いいじゃん!」
「お前が決める事じゃねぇだろ」
「麻燐、皆と景ちゃん先輩の車で帰りたい…」
「今回だけだぜ」
「態度めっちゃちゃう事ないか!?」
「うるせぇ。お前は黙ってろ」
「!?」


……という事で、今日も仲良く(?)跡部の車でお帰りです。