私は貴方の何ですか?
思ったことはある。
口にしたことはない。
答えを聞くのが怖いからじゃない。
貴方の態度が、聞くことを拒否してるかのようだから。

「っ……ん、ふ……ぁっ」

貴方はどこかへ行ってしまった。
身体はあるのに、心は無いみたい。
探しに行きたいけど
身体だけの貴方は許してくれない。
まるで、自分の傍から私が居なくなるのを拒むかのように自分の身体を私に押しつける。
そして、馬鹿な私はいつも思ってしまう。

「待っ……け……ご、」
「黙ってろ」

長い長い口づけ。
私の息はすぐにでも止まりそう。
必死で酸素を求めることしかできなくて。
私はまるで生き人形。

「ねぇ……景吾、」
「………」

長いキスからの解放の後、私は聞いてみた。
それは、私の一番聞きたいこととは違う。
それでも、遠まわしに答えになるの。

「……どうして、私を傍にいさせるの……?」

他人と慣れ合おうとしない、孤高に生きる貴方が。
どうして私を求め、きつく抱き締めるのか疑問だった。
貴方は知ってるのかな?
私はいつも、貴方の傍に居るんだよ。
気付いたら私は貴方の傍に居るの。
それは私の意思じゃなくて貴方の意思。
ねぇ、気づいてる……?

「何言ってんだ」

貴方は、唇をぺろ、と舐める。
そして私に舐めるような視線を這わせて、

「お前は俺様の所有物だろうが」

ああ……そうだったんだ。
不思議だな、哀しくない。
人形≠カゃなかった。
……いや、所有物に人形≠燗るからそうとは言えないかもしれない。
それでも、良かった。
貴方はまた私の酸素を奪いに入る。
私は抵抗もせず、ただ貴方の背中に手を回すことしかしない。
それでも、私は幸せだと思うから。
私はあなたの所有物でも、いいよ。





お前は俺の言うことを聞いていればそれでいいんだ。