「いたい?」

身体の節々が紫色の痣に身を染めた彼女に聞いた。
すると、彼女は微かに震えながらも小さく頷いた。
ああ、可愛い。
その怯えている表情、俺にしか見せねえよな?

「っが、」

この恐怖から逃れようと意識を手放そうとする彼女。
それを俺は許さず、髪を鷲掴みにした。
彼女の顔が痛みで顔が更に歪む。
その顔も既に頬や唇が切れて赤い血が流れている。

「お前なんか大嫌いだよ」

その顔が愛おしくて、少し口角が上がりながら告げた。
彼女は俺を恨んでいるだろうか。
もし、恨んでいたとしても構わない。
俺は悪くない。

「………クク、」

だって、そうだろぃ?
お前が俺以外の奴に笑いかけるから。
親切に振る舞うからいけないんだ。
今俺の目の前に苦痛の表情を浮かべて俺を見つめる彼女を見ると自然と笑みが零れる。
彼女のこの表情は俺しか知らない。
俺にしか見せなくて、俺だけが知っている。
これ以上の快感があるか?
普段決して俺を見ない彼女が、俺の事を考えて俺だけを見ている。
最高だ。

「愛してるぜ」

このままずっと、俺だけを見つめてくれたらいいのに。





優しい君は大嫌い、怯える君は大好き。