大好きです。
大好きです。
この世で一番、貴女が大好きです。
先輩なしの世界なんて考えられないくらい。
俺は先輩のことを愛してるんです。

だからお願いです。
泣かないでください。
先輩が泣くと、俺も悲しくなります。
泣きたくなります。
苦しくなります。
死にたくなります。
殺したくなります。

どうして逃げるんですか?

先輩が悲しむ理由を教えてください。
誰が貴女を苦しめてるんですか?
クラスの人ですか?
部活の人ですか?
従兄妹の芥川さんですか?
幼馴染の向日さんですか?
誰でも構いません、言ってください。
俺がその原因を排除しますから。
俺は先輩の為ならなんでもしますから。

………先輩?

どうしたんですか、手に刃物なんか持って。
そんな危ない物持ってたら怪我しますよ。
俺のことより、先輩のことが心配ですよ……。
先輩、泣きながら何か言っても俺には分かりませんよ。
さっきより悲しい顔してますよ。どうしてですか?

「ごめんなさい、許して」なんて、どうして先輩が謝るんですか?
先輩は何も悪いことしてないじゃないですか。

……そう、そうです。
ナイフを振り上げて。
そんな物、遠くへ投げちゃおう。

ほら、早くそのナイフを捨てて―――――――



ああそうか。
今分かりました。
貴女を不安がらせていた原因は、俺だったんですね。

大丈夫です。
言ったでしょう?
貴女の悲しみの原因は、俺が排除しますって……。


先輩、

幸せになってくださいね。





俺が居なくても先輩は何事もなかったかのように生きていける。

それが悲しいだなんて俺は言えないんだろうな。