「………ねぇ、」
「………」
「……笑ってよ」
「………」
「どうして何も言ってくれないの?俺はこんなに君を愛しているのに」
「―――――――――――」

君を閉じ込めてどのくらい経っただろう。
それなのに、俺と君の距離は全然縮まないんだ。
だけど俺の君への愛は深まるばかりで。
俺は何度も君に愛の言葉を囁く。
だけど……君はいつも同じ言葉を吐くんだ。

「……それ、本気で言ってるの?」
「ええ……本気よ。………もう、私限界なのよ……」

君は心底疲れ切ったように目を閉じる。
それから何度と君の名前を呼び掛けたけど、返事をしてくれるどころか、俺を見てくれなくなった。
それだけで俺の心は震えるように恐怖を感じる。
悲しくて切なくて、吐きそうになる。

「………いいよ、分かった」

そう言うと、君はゆっくり目を開いて、無気力に俺を見つめた。
そんな君を、俺は静かにベッドに押し倒して、首を絞めた。

「っ………く、」

君は苦しそうな顔をする。
だけど、抵抗しようとはしない。
それは俺が手首を縛っていたからというのもあるけど……。
そんな辛そうな顔をする君を見ているのが辛くなって。
一言……耳元で囁いた。
すると君は少し穏やかに笑ったんだ。
ようやく俺から解放されるんだと……感じて。

しばらくして、

君の瞳が閉ざされて、息をしなくなったのが分かった。





君は、僕に愛されるくらいなら、死んだ方がいいと。
いつも言っていた。
限界なんだと、呟いた。
だから……今、その願いを叶えてあげた。

「殺してあげるから……、俺も一緒に連れてって」

最後に俺が耳元で囁いた言葉。
……俺はまだ未熟だから。
心から愛していた君を失って、どうしていいのか分からない。
ただ、この世界に居る意味が失われた。
…………俺、本当に君を愛していたんだよ。
本気だったんだ。
閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくないくらい、好きで、好きで。

だから――――――



俺も君と同じように、死なせてよ。





俺がいくら愛を囁いても、
君は同じ言葉を繰り返すばかりなんだ。


あっちでは、独りで我慢するから。