▼ ××的恋愛しましょ!


結論から言おう。
多分、俺の完璧な擬態化は、既に見破られてしまったに違いない。
何故なら先日の昼休み以降、内山との接触は、ことごとく高橋に妨害されている。
一体どうしてバレたのか……ただ、高橋は頭が良い。
きっとそのせいだ。
でも、バレたからと言って諦める訳にはいかない!!!!



¨腐男子¨として、自らの手で内山 慎也を¨理想の受け¨にしてみせる!!



そうと決まれば行動あるのみ。
俺はその日の内に高橋を呼び出し、ケリをつける事にした。



「悪いな、放課後急に呼び出して。」

「いや、別に良いよ……それより、慎也の事って?わざわざ裏庭に呼び出す程だ……大事な話しなんでしょ?」

「ああ…………一応、確認しとく。お前、俺がどんな目で内山を見ているか……気付いてるだろ?」

「っ…………な、んとなくは。」



高橋は俺から目を逸らすと、蚊の鳴くような声で答えた。



チッ、やはり気付いていたか。
道理で俺と内山を引き離そうとした訳だ…………普通、親友が¨理想の受け¨として標的にされたら黙ってないよな。
でも、それなら逆に¨こちらの世界¨へ引き連り込むまでだ!!!!



「悪いけど、俺は諦めない…………寧ろ、高橋にも協力して欲しいと思ってる。」

「なっ!!無理だ!!俺に松下を応援する事はできない!!」



高橋は、先程までと打って変わり、声を張り上げ無理だと首を振る。
だが、ここで引き下がる訳にはいかない!!!!



「最初から無理だと思うな!!大丈夫、BLの素晴らしさなら俺が1から教えてやる!!そうすればきっと、高橋も内山を¨理想の受け¨として見れるはずだ!!さぁ、一緒に楽しい腐男子ライフを!!」

「……???……は?え?……BL?理想?腐男子?……え?え?」

「だぁかぁらぁ、ボーイズラブの素晴らしさを教えてやるから、一緒に内山を¨理想の受け¨にしようぜ?まぁ、親友をそう言う目で見るのは抵抗あると思うが、俺の持ってる本を読めば、如何に内山が理想的か分かるはずだ!!」

「へ……松下は……ふ、腐男子?…………え、じゃあ、慎也を恋愛感情で好き……な訳じゃ…………」

「?……俺、腐男子だけど、恋愛対象は女の子だし。」

「っ…………そ、そっか!!そうなんだ!!……いやぁ、そかそか……俺の勘違いね。良かった……本当に良かった…………あ、¨理想の受け¨計画だっけ?それ、喜んで協力させてもらうよ!!」

「…………本当か!?……えっと、じゃあ、宜しく頼む!!!!」



高橋の変わり身の早さに驚きつつも、俺達は互いに握手を交わした。



「「2人一緒に、楽しい腐男子ライフを!!」」



こうして俺は、強力な助っ人を手に入れる事ができた。
途中、話しが噛み合ってなかったが、最後は高橋も乗り気だったし、問題はないだろう。



ああ、明日からが楽しみだ!



11.0529
 
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