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『あ』と『ん』と小さい『っ』の羅列、つまりは女の喘ぎ声が彼の部屋から聞こえて来る。
これは日常茶飯事で、恋人であるはずの俺が居ようがお構い無しだ。
俺は部屋の前で溜め息を吐くと、飲み物が乗った盆を持ち直し、ノックも無しに扉を開いた。
最中だろうと関係無い!!
……俺は我慢の限界だった。
「真城、テメェ良い加減にしろよ!!折角の休日に恋人を放っといて¨エロゲ¨する奴が何処に居る!!」
「ここに居る。」
「っのやろ!!」
『あ、飲み物そこ置いといて。』と、呑気に振る舞うこの男が憎い。
暇さえあれば、エロゲエロゲエロゲエロゲエロゲエロゲエロゲエr…………恋人が居るにも関わらず、だ。
「真城は俺とエロゲ、どっちが大切なんだよ!!」
「……………………は?」
キョトンと俺の顔を見る真城。
そりゃ俺だって驚いたわ!!
まさか己とエロゲを天秤にかける日が来るとわな…………けどそれ位、真城はエロゲ中毒者なのだ。
実に残念である。
「どっちが大切って、そりゃ…………………………………………」
「ええい!!悩むな!!スパッと答えい!!」
「うーーあーー……………………………………………………エロゲ?」
「…………エロゲ?」
「エロゲ。」
「っ悩んだ挙げ句にその答えかこん畜生!!」
思わず真城をど突き倒し、ドッタンバッタンガシャンと騒々しい音を立てながら、俺はその場を後にした。
終わりだ、もう我慢できない!!
俺とエロゲで悩む事自体オカシイのに、あまつさえエロゲの方が大切だ、と?
泣きたいような、怒鳴りたいような、複雑な心境で家に帰ると、携帯が新着メールを知らせていた。
開けてみるとそれは、真城からの謝罪メールで、『三次元ジャンルは、お前がダントツ1位だから〜……』とか何とか。
本当だったらこんな内容、ふざけてんのか!!って思うけど、そこはまぁ、惚れた弱みと言いますか……結局は許してしまうのです。
*
「真城テメェ、少しはエロゲ自重しろや!!」
そしてまた、懲りる事なく、俺と真城……否、俺とエロゲの格闘は続いていく。
END
11.1113
日記に載せようと書いたら、長文になってしまった為、こちらでうp
この2人はどっちが右でも左でもOKだと思う。
けどまぁ竜也的には、エロゲ中毒が平凡で、勝てない男が美形って妄想してる←
美形×平凡w