▼ 解せない話


数日前、露出狂と遭遇した公園を通り、俺は家路を急いでいた。
今日はこの間とは違い、少しばかり時間に余裕が無い。
でなければ流石の俺も、この道を使ったりはしなかった。
そう、見たい番組を録画し忘れたが故に………………出会ってしまったのだ。



例の露出狂に、再び。



「やぁ、君を待っていたよ!!」



俺を見つけるや否や、上着を脱ぎ捨て行くてを阻んだ男はのたまった。
だが、今日の露出狂は露出狂であって、露出狂では無い。
つまり、(ピーー)を出さずに下着をはいていたのだ。



「はいている……だ、と?!」



あまりの違和感(違和感を感じる事が違和感)に、俺は男の下半身を凝視してしまう。
だがそこで、もう1つ違和感を感じた。
以前出会った時よりも、アレの膨らみがご立派になっていたのだ。
恐らく、アレがアレしてあの膨らみになった訳では無い。
だってご立派過ぎるもの、前回のアレが今のアレになるはずが無いんだもの!!
そして俺は気が付いた。
何故、男が下着をはいているか……



「この前は君に、随分と失礼な事を言われたからね。今回は本気を出させてもらったよ!!」



ふんっ。と、勝ち誇ったように笑う露出狂が、俺は哀れで仕方無かった。



「俺、知ってますよ…………その下着。少し前に話題となった、男のアレを大きく見せる…………あの下着ですよね?」

「!?…………な、ななな、何を言ってるんだ、君は!!こ、こここ、これは自前だ、自前!!!!」



視線は右へ左へ、上へ下へ。
鶏並みに『こここ』言う男。
動揺の仕方も尋常じゃ無かった。



「そこまで言うなら、脱いでくださいよ。露出狂ならできるでしょ。」

「っ……!!き、ききき、君は変態か!!警察を呼ぶぞ!!」

「それはこちらの台詞です!!脱ぐのが嫌なら不正を認めろ!!」

「ふ、ふふふ、不正なんか、していない!!」

「不正する程、悔しかったんですか!!!!」

「だ、だだだ、だから不正なんかッ……きゃあっ、脱がされるっ!!」

「…………………………。」



何となくムキになり、露出狂と脱げ、脱がない!!の、攻防戦を繰り広げていたが、男の気持ち悪い悲鳴に我を思い出した。



何してるんだ、俺…………



露出狂は、パンツのゴムを握り締め、ふーふー言いながら俺を睨んでいる。
その目はまるで、¨強姦魔¨を責めているようだった。
が、男の膨らみが微妙に増して……



まさかこいつ、¨襲われシチュ¨に興奮したんじゃあるまいか?!



相変わらず、表情と下半身が一致しない男……やっぱり変態の考える事はわからない。



「…………じゃあ、俺は見たい番組があるからこれで。」



そう言い残し、二度と公園には近付かない!と、己に誓った。



11.0912
memoに載せたお話しでしたが、続編を書けて良かったです!!^^
色々と心配な2人ですが、気に入って頂けたら幸いです。
ぬぬ様、リクエストありがとうございました☆^^
 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -