ゼイゼイと情けなく息を洩らすヒマがあればその脚を必死に回せというに自分の身体というのは存外思い通りにならない事をこれほど後悔する時が有っただろうか(いや、ない)、ついでに言えば自らの愚かさを笑い飛ばす余裕も微塵に無い、ない、ナイ。
例えば誰が己が犯罪者になることを望んだであろうか、誰が母の腕に抱かれ眠りながら人を殺す夢を見るのだろうか、人生予期せぬことばかり、オニゴッコの鬼はただの少年デシタ。

「なァお前だろオレの可愛い妹にセイテキボウコウ加えてくれたのって!なァ!相当酷い事してくれたみたいじゃアないかまだ小さいのにあんなに良く笑う子だったのにオマエお前の所為で一言も喋ってくれなくなっちまったんだどうしてくれんだよぉおおお、それどころかオレを見てなんて言ったと思うよ『来ないで』ってあああああんなに可愛い子だったの、に、たったヒトリの家族だったのに!ア吁ぁ、」

世の中に溢れる大抵は金でどうにかなっちまってソレが今から俺を殺すのだ、オニゴッコの鬼は二人の少年デシタ。

「彼は酷く怒ってるんだ、逃げられや、しないよ。」

オトナが見知らぬコドモの春を奪い金を積めば餓鬼でも裏社会に潜り込めてそこらの少年がスタンガンと出刃包丁を持ち歩くようなカナシイヨノナカに眠ります、南無。

ばつん、

『某月某日ノ午前、異臭ガスルトノ通報ヲ受ケタ某所ノ河川カラ切断サレタ男ノ遺体ヲ発見、遺体ハ身元ノ確認ガ出来ナイ程ノ損傷ヲ受ケテオリ、警察ハ殺人事件トシテ調査ヲ進メテイル。』





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