纏わりつく髪の毛が煩わしい、かさついた唇の切れたのは不快であるけれどもリップクリイムのべたべたと塗りたくられたそれも相応に腹の隅を引っ掻く。血の味がした。ぶつりと薄く響く音は一体なんであったか。冷たくなった足の指を丸めながら黴臭い大気を肺に放り込む、(そういえば爪を切っていない……)
曰くチョコレイトと呼ばれるモノを泥泥と舌で咀嚼しながら箱を眺める、文字は昔から好きだった。外国語はそうでもない、ゲイジュツとして見るには申し分のない存在だったけれどもブンガクとして理解するには脳が足らなかった。(二粒で五〇キロカロリイ、)計算した所で理解されないエネルギイは血と肉になってゆく、そうしていずれは土の香りに腐り朽ちて花が咲くかもしれなかった。「どうせなら今すぐ蝕まれてしまえばいいのに。」

午後五時五分五五秒、空はぬるい水の張った浴槽の仄暗い空間に良く似た色をしている。私はこの色が好きだった、やさしいいろ、かなしいいろ。抱いて抱かれてそのままどろり、希望色をしたゼツボウ。水死体になりたい訳じゃあなかった。昇る泡を眺めるあそび。布団をかきあげる。カチリと小さく何かが泣いた、消灯。ひとりぼっちで薄桃色のゆめ。
おやすみなさい。


はぐれフラミンゴ



剥製に射精、ありがとう。




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