それは、新緑の隙間に小さいさくらんぼが実りだした頃だった。

「はぁ?文化委員?」
「そうよ、一人足りなかったの。後で書類に名前書いて」

黄みが強めのオレンジ色の髪が特徴的、あとちょっと気も強めな彼女が、授業のノートをまとめながらこちらを一瞥もせずそう言った。

「待ってよナミ、文化委員って文化祭仕切るアレでしょ?めっちゃ面倒くさいじゃん…」
「あんた委員会決めの日休んだんだから文句は言えないわよ!もうあの時何もかも決まらなくてほんっと大変だったんだから!」

ペン先を目の前に突き出され怯むものの、「ナミさん人を物で指すのはいかがなものかと…あと八つ当たりはやめて…」なんて言えるわけもなく、目の前でぷりぷりと怒る委員長に差し出された書類に、私はなす術もなく、名前を書くことになったのだ。

「ついでにその紙、生徒会室に提出してきてね」
「ええ…なんで私が、」
「あんたに拒否権はないの」

こんな脅迫的な委員長がいていいものか。ノートを片付けさっさと廊下へと消えていったナミの背中を見届け、名前を書いた紙を見てみる。「〜…また各クラス、委員会はそれぞれ2名ずつ選出すること」の説明文。そっか、1人足りないって言ってたっけ。

「えっカクくんだ…」

バレンタインは段ボール二箱分のチョコレート。春は同じクラスになれなかった女の子達が泣き崩れる掲示板前。そんな噂で有名な、あの、カクくん。一度日直で同じになったきり、彼との接点は何一つない。爽やかでよく気が利いて優しくて、男女問わず人気者な彼だけど、私はそのあまりに魅力的なオーラで周りの人を覆い隠して、そして消してしまうような、そんな彼の雰囲気が少し苦手だった。

あ、サンジくんのメロリンハートな声が聞こえてくる。



カクと一緒に文化祭の準備をするお話。
5話ぐらいで文化祭2か月前〜当日、ちょこっと後日談とかまとめたい。
6月中旬ぐらいの時期かな。

模擬店の看板一緒に作って絵の具こぼしちゃったり、帰り道ジュース飲んだり…
青春いっぱい詰め込みたい!

いつもはW7とかCP9がメインだけど、ナミさんサンジくんとか麦ちゃんズとも絡む予定。

パウリーと毎日お昼一緒にご飯食べてて周りから誤解されてるヒロインとか(※パウには1年の可愛い彼女がいるし、お互い高1からの仲で良い友達って感じ)、進学クラスのルッチくんとか、英語教師の市長さんとか、生徒指導部の長官とか、いろんなキャラクターが書きたいです。

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